2013年10月2日水曜日

No.70・71『地域振興と観光産業のかかわりについて2013』11月号・12月号

No.70『About the involvement of the tourism industry and regional development  2013』11月号 2013.1101

【10/1】October 1
(10/7夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie October 7 posts)

 10/1。日本では消費税の増税が決まった。これによる増収は8兆円だそうだ。日本政府はそのうちの5兆円を経済対策にあてるとしている。
 同日ワシントンでは、医療保険制度改革法を巡る与野党対立から、最重要セクションを除く政府機関が閉鎖となった。インバウンドもアウトバウンドもストップだ。そして10/17迄に議会が借金上限額を16兆7000億ドル(約1670兆円)以上に引き上げる事ができなければ、米国財務省は金欠となり、デフォルトに陥るともきく。
 その財務省が7月に発表した国際資本統計によると、 米国債保有額が最も高いのは中国の1兆2773億ドルで、次点は日本の1兆1354億ドル(約113.5兆円)だ。これは、今回の消費税増税分の14倍近い額である。
 もちろんデフォルトになる事態は、国際信義の為にも回避されるとは思う。しかし、そもそも国がこのようなリスクを抱えていること自体、まったく解せない。
 いわば米国の与野党攻防は、世界経済を人質にしたも同然なのだから。

10/1. In Japan, where tax increase of consumption tax was decided. This tax increase revenue, is expected to be in the 8 trillion yen. Japanese government announced 5 trillion yen wants to use it in economic policy.
Same day, in Washington, from the confrontation between the ruling and opposition parties over the health reform law, government agencies except for the most important section was closed. Therefore, outbound and inbound is also a stop. And until the 17th October, It Congress, must be raised to 16 trillion 700 billion dollars over the debt limit amount. If you do not, you fall into default. U.S. Treasury from falling into the lack of funds.
The U.S. Treasury Department announced the international capital statistics in July. According to this, holdings of U.S. Treasuries maximum of 1 trillion 277.3 billion U.S. dollars in China, runner-up is 1 trillion 135.4 billion U.S. dollars in Japan. It is nearly 14 times the amount of consumption tax hike minutes of this time.
Of course, Default will be avoided. It is because of credit worldwide.
However, I can not understand at all, the country that has the danger of this situation.
The world economy such as hostage. It is because a tool of politics in the United States Congress.

 ところで米国連邦政府には無い、この日本の消費税だが、可処分所得の減少によって、不要不急産業と云われる観光マーケットの萎縮が予測される。
 それどころか、不毛の『総額維持競争』すら呼び起こす恐れがある。
 この懸念は、スケールメリットで増税分が吸収できる大手スーパーと、それができない個人商店同様、小資本に不利である事に起因する。
 そもそも総額の維持は、実質値下げのデフレ容認だ。これは政府方針との整合性を欠く行為の筈でもあるのだが。

【三重の見栄】 Mie want to get overestimate

 日本の地銀のシンクタンクである『百五経済研究所』の試算によると、遷宮による経済効果は2416億1600万円との事。
 これを年間予測の1000万人で割ると、客単価は実に24160円(約241.6米ドル) にもなる。
 しかしこの人数は、もともと内宮と外宮のダブルカウントだ。同じ人間が二度計上されるのである。つまり前提とする人数が過大なのだ。
 たとえば北海道から来た人が、四回(二往復)も飛行機に乗る事はない。また、外宮前で土産を買った人が、再び同じものを内宮前で買う事もない。内宮と外宮間の消費動向はゼロサムに近いからだ。
 統計上の見栄は、正しい投資判断を狂わす事になる。すなわち実体経済を反映しないバブルと同じである。

【バラして何になる?と訊かれた】I received a question. "Do you expose why?"

 10月号の感想として「(数値を)バラして何になる」と訊かれた。これは、何の得があるのかという意味でである。
 得はないかも知れない。
 しかし事実を知って、それを考察し、対策を講じる事によって、損失を未然に防ぐ事はできる。
 たとえば、未曾有の大災害の年となった2011年。各地ではお花見中止が続出し、列島全体が沈痛な空気に包まれた。旅の予約はキャンセルや仕切り直しとなり、国内の観光市場は大きく落ち込んだ。
 そこで耳にしたのが「不景気だから仕方がない」「未曾有の大災害だから仕方がない」「飼料が汚染されたから仕方がない」だ。
 確かに、これらのせいにしておけば、入り込み不振も諦めがつくだろう。それに原因が不可抗力ならば、融資先や株主も大目に見てくれるかも知れない。(それでも旅館やホテルの廃業は710軒もあった。)
 だが、その一方で1699万4200人もの、空前の海外旅行ブームがあった事も厳然たる事実である。
 当時政府は、日本の為にもお金を使いましょうと消費行動の喚起をはかった。が、即座にそれは海外からの支援の感謝のしるしとして、観光客を海外へと送り出す宣言へとすり替わった。
 そしてメディアも、しきりに円高メリットを喧伝した。本来ならば内需振興の時にである。
 はたしてその真意は何だったのか、JALの早期再建ではなかったのか。ちょっと調べてみたら、当時の政権幹部の有力支援者が、現在のJALの取締役名誉会長イコール筆頭株主企業の会長である事ぐらい誰でも分かることである。
 そして未曾有の大災害の中で、いったい幾らの『日本円』が海外へと出ていったのか。
 日本の言葉に『知らぬが仏』というのがある。知らなければ苦もないとの意だ。かといってグローバル時代に耳目を閉じていたのでは、『情報の黒船』には抗えない。私は、日々ばらばらにリリースされる情報を客観的な視点で分析し、埋没しかかった『事実』を浮上させる事が必要だということを訴えているのである。

【やはり伊勢神宮よりも多い施設があった】As expected, there was a facility that exceeds the Ise Shrine.

 10月号の冒頭で指摘したがhttp://ohmss700.blogspot.com/2013/09/no69201310_8.htmlやはり伊勢神宮よりも入り込み数の多い施設が県内にあった。この数字は三菱UFJのシンクタンクによるもので、予測どおり、そこには県が非公開とした今夏のナガシマリゾートの数字がある。
 実にその数256万人。
 これは同期間の内宮プラス外宮170万6489人の、驚いた事にピッタリ1.5倍である。
 私は三重県の持つ伊勢神宮の数字が下一桁まである事に疑問を持っていたが、どうやら今回の参考数値(※)はここにあったようだ。
 ちなみにUFJは、伊勢神宮の入り込み数をラインナップには組み入れてはいない。さもありなん、神聖な神事参詣者を観光統計に加えても投資判断にはつながらないからだ。当然である。

(※)『地域振興と観光産業のかかわりについて2013』6月号補足【ゴールデンウィークの出雲大社70万人】の項参照 http://ohmss700.blogspot.com/2013/05/20136.html

【第三の権力】Influence of third

 別々の日に報道されたベタ記事を関連項目に沿って整理すると、新たな事実が浮き彫りになる。まるで三つの正三角形の辺の端をくっつけると、四つ目の正三角形が現れるようだ。これは、直ぐに消えてしまうテレビニュースや小間切れのネットニュースでは不可能な、新聞媒体ならではである。
 だが、正三角形が三つ揃わない場合もある。
 たとえば10/6付の新聞報道によると、日本政府は16日からスイスで開かれるWTOの委員会で、韓国の水産物禁輸は不当との説明を行うとの事である。しかし、何も禁輸措置は韓国に限ったものではない。9/9の日本の農水省広報によると、中国、ブルネイ、ニューカレドニア、レバノンもそうなのだ。とりわけ中国の措置は、いまだ東京も含む一都九県に及んでいる。中国の前政権が早期解除を約束していたのにも関わらずだ。
 なのに日本では、新聞も国営放送も民放も、あまりこの事には触れたがらない。7/1以来、外務省の『諸外国の輸出入等関連措置』の発表がない事も黙認したままだ。はたして五輪開催予定国のメディアがこれでいいのだろうか?
 日本国民は消費税増税が財務省主導の霞ヶ関シナリオだった事を後で知った。政権交代直後に突然降って湧いた耐震強化改正法も、そして前政権時代に登場した秘密保護法案もそうだ。
 既に多くの海外メディアがお気づきのように、日本は官僚主導国である。だから日本の新聞は、軽減税率や特定秘密保護法案については紙面を借りて、世論にも訴える。しかし、読者から見ればそれは保身にしか映らない。プレスリリースに頼らない独自取材力の低下が、第三の権力を失墜させた事を認めていないからである。

【TPPの聖域見直し】Review of TPP sanctuary

 個人的見解だが、私は条件付きでTPPの聖域見直しには賛成である。
 理由は単純、日本のエンゲル係数が異常に高いからだ。食費が米国やシンガポールの約二倍もかかるのである。
 そしてこれは、育ち盛りの時代に食うや食わずの生活を体験した私の、消費者よりも生産者保護が優先されてきた事に対する異議でもある。
 したがって条件付きというのも『食の安心安全』の保証だけのみならず、流通価格が国内外問わず『国際標準化』しなければならない事にある。
 つまりTPPによる可処分所得の増加は消費格差を緩和するのみならず、旅館やホテルの単価を下げて国際競争力に与し、なお且つ利益率をキープする事も可能となるからだ。
 同時に、現在計測が見送られている、ベータ線放出が疑われる食材の流通も淘汰される。これは地域ブランドや特産品、地産地消以外の商品価値は、もはや成立し得なくなるという事である。

 ところで現代日本では、第五福竜丸の時代と違って、ベータ線は過小に評価されている。しかし透過力がガンマ線より弱くとも、飲食による内部被曝が起きる事は変わらない。即ち、1ベクレルとは1秒間に1個放出される放射線の単位だが、食物等で消化器官に入った放射性物質が概ね48時間は体内に留まる以上、二日間で17万2800秒、17万2800ヶ所を突き抜る高速電子がDNAにダメージを与える事になるのだ。たった1ベクレルがである。

【ネットエージェント・プロセス】Process of travel planning

 10/11。この日、某大手旅行業者の○○支社から電話があった。インバウンド事業拡大の為にと、海外の旅行サイトと提携するとの事である。
 しかし具体的な集客戦略は、話を聞いた限り見えてはこない。宿泊メニューを並べるだけでは駄目なのに。これでは提携が、市場の逆流片道キップになる懸念すらある。
 他の大手ネットエージェント二社の場合もそうなのだが、そこには日本の成功モデルをそのまま採り入れる事に起因する落とし穴がある。
 危機感を持った故、ここに書き下ろす次第である。

 2005年の愛知万博。たしかに三重に宿泊した消費者はゼロではなかった。しかしその到達は数える程もなかった・・・。
 2013年の遷都1300年祭。こちらも三重への宿泊は殆ど及ばなかった。同じ奈良の隣県でも、京都や大阪は100%に近い稼働率だったのだが。
 それは何故か?
 当然ながら旅には目的があり、人気が集中するのは目的となるコンテンツの近辺、もしくは導線上にある宿泊施設となる。したがって、何れの場合も『情報量の差』と『導線の利便性』の点で、三重は選外だったという事である。
 だから、遷宮に沸く伊勢の導線上にある都市、鳥羽市や松阪市の宿泊や中食需要が伸びるのも、交通力学上は当然の事である。つまり該当域における需要の発生は、各々の地域コンテンツの力というよりも、立地の利便性と『食や設備やブランド』の情報であると結論づける事ができるからだ。
 実はこれは、消費者がネットエージェントを利用して、宿泊施設や食事処を検索選定するプロセスと同じである。そのベースは、繰り返しになるが、旅の動機⇨利便的立地の選定⇨食と設備とブランドの選定の順となる(もちろん各プロセスには、予算との擦り合わせもバックボーンにある)。
 ところが、インバウンドの場合これが必ずしも当てはまらない。旅の動機と立地の利便性が必ずしも一致するとは限らないのだ。それは旅の目的が極めて主観に沿ったものである事に加え、土地勘がないため航空路線に左右されてしまうからである。その上、食習慣の好みや設備に対する求心力も違えば、ブランドも国際的でなければ選択肢には入らない。
 このことは必然的に旅館の選択肢を狭くしてBB指向へと市場を偏向させる。その方が売りやすいと思うからだ。しかし、ランチとディナーはラウンジやレストランでお好きにどうぞ、あるいは外食の推奨ばかりとあっては、無形文化遺産登録の機運も高まる和食文化は衰退するだろうし、TPP上陸と共に地産地消も廃れる事になる。だいいち日本人向けのちっこいベッドしかないホテルはどうするのか。おそらく参画自体、見合わせるに違いない。
 対象国の選定条件として、和食と布団文化に興味を持つ市場でなければ、そのビジネスはつまらない小商いに終始するのである。

 実は、ほんの数年前に同じ事を、○○○○ネットの○井マネージャーが訪ねて来た時にお話しした事がある。彼はこの話を本社でレクチャーして欲しいと云っていた。
 だが彼の急な退職により、それが実現する事はなかった。R社は儲け損なったのである。

【第二のサウジアラビア】Second Saudi Arabia

 8月末に日本の首都圏で放送され、三重県ではローカル局から10/13に放送されたシンジケート番組では、モンゴルの首都ウランバートルにおける数々の親日コメントと共に、破綻した国営銀行を買い取った日本の大手旅行業者のオーナーが再建したハーン銀行(チンギス・ハーンのハーン)が、広く国民から人気を集めていることを紹介していた。なんでも遊牧民への融資は、羊が担保でいいそうだ。
 この番組では、終戦直後の抑留者が建設に携わった、公共インフラやホテルが今も健在で機能している事や、鉄道によって分断されたウランバートル中心部の商業地区と工業地区を結ぶ為に、無償資金援助で建設された高架橋『太陽橋』に対する感謝の念、そして、日本型の都市計画に基づいた、ジャパンダウンの建設が現在進行中である事も紹介されている。
 なにしろ、1992年に社会主義を棄てたこの国のGDP成長率は、今や2年連続世界第三位。一室5000万日本円のマンションも売り出せば即完売なのだそうだ。その設計と建設には、たとえばマイナス30度の環境でも凍らないコンクリートを扱う北海道の業者ように、日本のテクノロジーが深く関わっているとの事である。
 この国のアキレス腱は海がない事だ。
 だから輸入の大半は、国境に面した南北の二つの大国に頼る事になる。番組では、不満があっても中国産を買わざるを得ない現状と、新潟米の人気ぶりや現地における試験栽培開始にも触れ、急増中であるモンゴル富裕層の食糧安保の一翼を、将来日本が担うことを示唆している。
 その狙いは何か?アンチTPPなのか?
 首都圏では日経が提供しているこの番組は、モンゴルを第二のサウジアラビアと形容していた。だがそれは、番組内で紹介された、銅、金、石炭の三つの鉱物資源だけでは明らかにエネルギー安保を語るに不十分である。モンゴルが持つ埋蔵量世界一のウラン鉱床の権益についても触れなければ、昨年の8月に東京新聞が書いた、ウラン採掘と引き換えに核廃棄物の保管と埋蔵を引き渡す包括的燃料サービス(CFS)の問題についての言及も全くない。
 つまりこの番組はプロパガンダであり、核燃料サイクル事業を展開したい日本の、投資家に向けたバックグラウンド紹介の番組だったのである。
 という事は近い将来、必然性をもって航空路線の増強が予測される。ビジネス往来の副産物として観光交流も増える事だろう。
 ただし、この国の人口は279.6万人しかいない。

【信用に足る数字は何処に?】Where is the numbers credible?

 10/19の報道によると、東京ディズニーランド開園30周年を迎えた『オリエンタルランド』の今年の入園者見込み数は、過去最高の3070万人になるとの事。これは遷宮に湧く伊勢神宮のおよそ三倍だ。入場料収入、飲食、宿泊、土産と、その予想売上高は4603億円。ざっと弾くと平均客単価は約1.5万円になる。商業施設だから、こういった数字の公表はダイレクトに投資に反映される。
 一方、伊勢神宮の『内宮プラス外宮』1000万人の県内への経済効果は、先に書いた百五経済研究所の試算によると、『観光消費支出額』2416億1600万円との事。平均客単価は約2.4万円にもなる。伊勢神宮に入場料はないから、この数字は主に飲食、宿泊、土産、そして交通費だけで、といったところだ。これはディズニー以上である。
 ただし、何度も言うが、内宮と外宮は重複カウントである。試算自体が実体経済を反映するとは言い難い。この事は、そうとは知らず『遷宮効果』をあてにして市外から新規出店した店の多くが、来年の後半あたりから業績悪化に悩む事を意味する。これは20年前の私の経験からも断言できるが、客層が安近短傾向に『戻る』為である。
 数の過信は禁物だ。
 4/26に開業した『グランフロント大阪』は、伊勢神宮の倍以上の人数を僅か5ヶ月足らずでマークした。10/18の産経新聞によると、来場者数は既に2700万人である。これは、昨年5月に開業した『東京スカイツリータウン』の半年間来場者数2792万人を上回る勢いだ。ただし、客単価は僅か740円でしかないのである。
 人数が多ければいいというわけではない。
 なお、ここで生じる『商業コンプレックスも観光施設なのか』の問いにつき、既に私は一昨年の観光セミナーの席で観光庁創設当時に在籍していた○崎元参事官に問い質し、公の場で回答を得ている。その言によると、日本の観光庁は商業コンプレックスや参拝者も観光客とみなしていい事になっているそうだ(MICEもである)。
 これが、地域観光経済が虚数に振り回される原因なのである。

【国際観光は貿易である】 The international tourism is a trade

 今年上半期(4月から9月)の関空からのインバウンドは、円安とLCC増便のおかげで過去最高の245万0222人との事。一方、アウトバウンドは前年比▲10%333万5186人。減った原因は、円安と外交問題による中/韓への旅行手控えとしている。
 にもかかわらず出入国格差はまだ1.36倍ある。サービス収支の上では赤字だ。
 現在『日本の貿易収支』は、唯一自動車産業だけで支えられている。しかしそれも、スマホとLNGの輸入で相殺どころか毎月マイナスである。ならば日本政府は、もっとインバウンド産業の振興に本腰を入れるべきではないか。これは、先進国の中でも唯一日本だけが発展途上にある産業だからである。
 その振興により、失墜した家電業界に変わる地域雇用の受け皿が形成され、そればかりかTPP時代における地産地消型農業の振興にもつながる。はるばる日本に来た旅行者が食する『無形文化遺産和食』が、お客さんの国から来た産品では笑い話だからである。
 韓国はインバウンド産業を、既に先進国なみの振興策をもって、これを外貨獲得の柱としてきた。だからこの国の観光業界団体は、減った日本人観光客の再集客をと自国政府に働きかけ、広宣費約10億ウォン(9200万日本円)をせしめる事もできる。既に日本人を上廻る中国人観光客で、数は取り戻せていてもだ。
 これは『インバウンドが輸出貿易と同じ』である以上、人数稼ぎだけでは駄目である証しといえる。

【建設的提案】Constructive proposal

 地球温暖化は気候変動リスクを伴うが、どうやら恩恵もあるようだ。北極の氷が解けることによって実現可能となる北極海航路で、新たなヒト・モノ・カネ(そしてガスも)の交流が期待されるからである。これにより、地球の反対側の欧州やカナダ、そしてロシアとの交易も増える。観光面も例外ではない。
 ただし該当国には日本のGNIを超える国もある。少なくとも、日本製炊飯器を自国系の店で10台も買うお客さんはあまりいないだろう。それゆえ主軸は、歴史、文化、芸術探訪型の観光になる筈だ。お互いにエキゾチズム満載だからである。これは、ヘルシンキとの空路を毎日結んでいるセントレアの活用面においても、魅力的な未開拓分野に違いない。
 さいわい来年は世界遺産熊野古道10周年のアニバーサルイヤーだ。興味を惹くきっかけとしても遜色はないだろう。
 ただし、それが海外へと広報されればの話である。問題はストーリーテラーがない事だ。
 そこで提案としてあげられるのが、国際的知名度のあるフィルムコンテンツに語ってもらう方法論である。その多くは、既にバックナンバーで再々書き留め、企画案まで公開してきたので今回は省くが、要はイアン・フレミング(1962年、サマセット・モームに同行する形で)の三重県取材立寄り(刊行本には松阪牛の肥育の描写もある)や、今の紀北町紀伊長島における、20世紀フォックスの『SHOGUN』長期ロケ滞在といった事実が、外国に対する知名度向上の点において役立つという事である。
 とりわけ前者は映画化に際し、熊野那智大社で007の結婚式シーンの撮影があったし、後者は、ロケ地を訪ねて来た英国からの宿泊客もあった。
 いずれの地も直近の国際空港はセントレアであり、伊勢湾を横切る高速船の直近アクセスポートは松阪港なのである。

【街道の要】Strategic points in the history Road
(10/18夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie October 18 posts)

 街道のかなめ松阪市。それは今も昔も変わらない。たしかに20年に一度の御遷宮で、松阪市への来訪者も増えてはいる。
 だがその目的地はあくまでも伊勢神宮だ。観光ではなく参拝なのである。だから、どんなに宿泊や食事の需要が増えたとしても、それは地の利に支えられた一過性のイベントに過ぎない。うたかたの夢を遷宮効果と呼んで、おこぼれを尊んでいる場合ではないのである。いったい来年、再来年はどうするというのだろうか。
 幸い松阪市には、五世紀の大和文化と伊勢文化の融合を物語る舟形埴輪がある。だったらこれを、歴ガール古墳ブームに乗せることはできる筈だ。また、万葉集成立1300年の節目に、再び宣長さんにご活躍いただく事や、東京五輪誘致で尽力してくれたロシア極東との親善を、武四郎さんに深めてもらう事もできる。これも日本の縮図、歴史の証言が残る松阪市ならではである。
 伊勢に看板を立てるのもいい。しかし、いつまでもバイプレイヤーでいい訳はない。そろそろ主役を取るべきである。

【必要は発明の母】 Necessity is the mother of invention

 10/18のTEPCO発表によると、フクシマ原発地下7メートルの地下水観測用井戸から、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が、1リットルあたり40万ベクレル検出されたとの事。これは飲食などによる内部被曝を算出する実効線量係数で換算すると、11.2ミリシーベルト/1hにもなる高い値だ。24時間以内に白血球の減少が始まり、二人に一人が10日以内に死を迎える線量である。
 これにより地下に拡がる汚染の深刻さがうかがえる。敷地を迂回して上手の地下水を海へと逃がす地下水バイパス計画も、間に合わないかも知れない。
 こうなると、残された最も理に適った方法は、汚染された敷地地下のぐるりを完全に遮蔽して敷地全体を水棺状態とし、倒壊のおそれのある建屋は多面体フィルタードームですっぽり蔽って密閉し、そこから汚染水を抜きつつ核燃料を再臨界させて、溶融した核燃料を重力に任せて地殻の下へと沈める以外にない。超高温の核燃料に触れた土壌はガラス固化するので地下水脈とのアクセスは断たれ、水蒸気および水素ガスの高圧力も、多面体フィルター面の多重・多層化で制御できる筈である。
 はたしてこのアイデアはサイエンスフィクションだろうか?
 だが、10年以内に人類を月に立たせると演説したJFKの、当初誰もがサイエンスフィクションだと思った計画が、ついには期限ぎりぎりの最終年になって結実した例もある。
 その原動力は米ソ間のスペースレースの切迫感と、まだ見ぬ素材と技術を生み出した意欲だ。そもそもイノベーションは、必要に強く迫られる事によって生み出されるものである。
 残念ながら事故を起こした当事国日本では、この手の話ができる雰囲気にない。それは被災地への気遣いからだ。
 したがって東京五輪を安心安全にに開催する為にも、国際社会からの強い後押しを待つより他に方法はないのである。

【Reply to "Redhead federal" from me】

It's purpose is what? Blocking input of Big data?
8 times mail came recently.
The content summary of the e-mail, want to work together in a big salary.
However, it did not disclose it to whether the company whether the intelligence.
It was written in English, but are occasionally misspelled.
My business, finding a contradiction of "open source intelligence".
Supporter already exists for this.

However, to meet the individual projects if possible to see you is not impossible.
For a while, I stay in this town.
Regular flights between Helsinki and Centrair, there is one round-trip flight every day. flying service is Finnair and JAL. Japan arrival time is everyday 8:50 am.
From there possible to access directly Matsusaka pier. if you are riding in speedboats of departure 10:00 am. arrival time of Matsusaka harbor is 11:08 am.
About 15 minutes by taxi to the city center from here. this city, has left evidence of ancient history of Japan, medieval and Early modern period. because there is intersection of the road of history.
This city is relatively warm and "safe and secure".
Famous specialty products is Matsusaka beef dish.
There is no Shinkansen, but the traffic is convenient. in Matsusaka Station, JR and Kintetu railway also stops.
West adjacent, Nara is the location of the beginning of Japan.
South adjacent, Kiinagashima is a starting point of world heritage "Kumano Kodo Iseji".

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No.71『About the involvement of the tourism industry and regional development  2013』12月号 2013.1201

【宿泊統計2013の中間集計】Preliminary results of the accommodation statistics 2013

 今年前半の日本国内観光旅行の『延べ宿泊人数』は、1月〜3月期が1億0142万3120人、4月〜6月期が1億0624万6430人で、2億0766万9550人となる。そのうちインバウンドは、1月〜3月期が659万2390人、4月〜6月期が876万8840人で、1536万1230人だ。
 この観光庁の宿泊統計から今年前半の『延べ宿泊人数』をピックアップして、多い順に20位まで並べてみた。用いた数字はH25の1月〜3月期と4月〜6月期の合計だ。ちなみに三重県は、1月〜3月期が222万1560人で、4月〜6月期が200万8750人の423万0310人。これは47都道府県中の16位である。

①東京都 2430万6720人  ②北海道 1290万6970人 
③大阪府 1123万8020人  ④京都府 1012万2530人
⑤千葉県  924万2780人  ⑥静岡県  924万1630人
⑦沖縄県  886万1830人  ⑧長野県  820万8220人
⑨神奈川県 788万7430人  ⑩愛知県  661万8270人
⑪福岡県  659万3290人  ⑫兵庫県  597万9620人
⑬宮城県  513万2710人  ⑭福島県  449万9560人
⑮新潟県  441万2780人  ⑯三重県  423万0310人
⑰栃木県  418万6290人  ⑱群馬県  380万9450人
⑲広島県  351万5440人  ⑳鹿児島  330万4120人

 次の順位は、相変わらず各都道府県とも一桁足りない、インバウンドの『延べ宿泊人数』である(これは上記の数字の中に、既に含まれるものである)。三重県は1月〜3月期が2万3220人、4月〜6月期が3万1450人で、5万4670人。こちらは欄外の25位となる。ちなみに最も少なかったのは島根県の7240人で、1月〜3月期が2410人、4月〜6月期が4830人だった。

①東京都  468万5980人  ②大阪府  200万9300人
③京都府  127万2710人  ④北海道  119万7080人
⑤千葉県   91万8150人  ⑥沖縄県   56万4980人
⑦愛知県   51万8120人  ⑧神奈川県  48万1130人
⑨福岡県   45万1620人  ⑩長野県   33万9840人
⑪静岡県   23万3770人  ⑫兵庫県   22万0380人
⑬山梨県   21万7790人  ⑭熊本県   21万0830人
⑮岐阜県   19万8870人  ⑯石川県   18万7090人
⑰長崎県   18万0670人  ⑱大分県   16万8510人
⑲広島県   16万3660人  ⑳鹿児島県   9万4440人

 なお、日本にはロシアのロスツーリズムのような優れた観光統計はない。いわゆる産業観光のみならず、農業、医療、スポーツ等にかこつけた◯◯ツーリズム、MICE、視察旅行、ビジネス接待、里帰りと墓参り、そして参拝行動までもが、日本では『みなし観光客』なのである。

【観光客誘致の為のプロモーション】Promotion for tourists attraction

 2010年の2/6と2/7。私はイベント屋さんではないが、あるセオリーを用いて中部国際空港のイベントホールを二日間タダで借り切り、奈良市と宇陀市、松阪市と津市と紀北町の合同観光プロモーションを行った(詳細レポートは、No.25『地域振興と観光産業のかかわりについて2010』2月号にドキュメントとして掲載)。だが、当日は初日から雪に見舞われ、航空機も何便かは欠航し、一時は海上アクセスもストップの状況となった。たどり着けない参加者もあったくらいである。
 それでも、おかげさまで初日は3万1000人、二日目で3万6000人は集める事ができた(空港集計)。二日間で6万7000人である。もちろんそれは物販ではなく、純粋な観光プロモーションとしてだ。
 ところが、先日日本橋にオープンした『三重テラス』の一ヶ月間の入館者数は、たった5万2753人しか来なかったとの事である。その今年度見込みは11万人、次年度は26万4000人だそうだ。消極的である。
 もともとこの施設は、三重県プロモーションを目的としたものだ。だが県はその運営を、民間の一コンサル会社に丸投げしたようである。だから売上見込みの数字まであるが、今年度のその額は1億7000万円となっている(11万人均等割りで平均単価は1545円だ)。おそらくこれは、管理業者の損益分岐点なのであろう。
 しかし、県が三重テラスに投じる五年間六億円の目的は、繰り返すがプロモーションの筈である。費用対効果は三重へ来てもらってなんぼであり、競争率46分の一のプロパガンダや、ましては商売の場ではない筈だ。
 この志しの小ささからみて、三重テラスが『遷宮アフター』対策になどならない事は明白である。議員諸兄は突っ込みどころを間違わないようにしていただきたいものである。

【過去最大の貿易赤字4兆9892億日本円】 Largest-ever trade deficit, 4 trillion 989.2 billion Japanese Yen

 8/23付の夕刊三重にも掲載していただいたが(9月号に原文掲載)、我が国の貿易収支はエネルギーコストに左右される程に脆弱化しているようである。
 なにしろ戦後日本は、原発なしで高度経済成長を成し遂げてきたわけだから。
 したがって10/22の朝刊で報じられた、今年度上半期(4月から9月)の貿易赤字が過去最大の4兆9892億円となった理由を、円安と、火力発電用のカタール原油やUAEのLNG、そしてスマホ輸入の増加の為とする財務省広報には得心がいかない。これは、再稼働やむなしの声があがるのを期待した『世論誘導』である。
 事の本質は、もはや外貨獲得の為の主力製品が自動車しかない事にある。日本のお家芸だった家電産業は既に後進国の十八番となり、被曝懸念による食品食材の禁輸も継続中だ。ペットボトル原料や船舶類の輸出に多くを望むのも無理がある。11/4の朝刊によると、貿易収支、サービス収支、所得収支、移転収支の四つで構成される『経常収支』も、今年度は韓国に追越されてしまうようである。
 まさに貿易立国の衰退だ。
 その原因は、後発国への過度の技術移転だけでなく、過去の稼ぎを元手にした投資収益で、研究・開発・製造・販売がなくても外貨が稼げる事にある。極論すればマネー転がしさえ誤らなければ、大企業やメガバンクは食える。財務省HPの速報値(8/8)によると、既に今年度上半期(1月から6月)の所得収支は8兆6783億円もある。これは前年同期比+1兆4021億円で、昭和60年上半期以降最大の黒字額である。上半期経常収支3兆2114億円は、この不労所得によって支えられているのだ。
 だがこれは、一ヶ月換算5352億3333万3333円の稼ぎであり、国民一人当たりになおすと僅か月4460円でしかない。しかも円相場次第である。
 つまり、これからの地域経済振興と雇用の安定に必要なのは、いつ去るか分からない企業の立地推進などではなく、自助努力、直接的な外貨獲得政策としてのインバウンド産業しか、最早あり得ないという事である。それなのに、

【狭まらない出入国格差】Leave open the emigration and immigration the difference in the number

 JNTO広報によると、今年1月から10月末までの観光出入国暫定累計値は、インバウンド(訪日外客)が865万9600人(前年比23.4%の増加)、アウトバウンド(海外旅行)は1458万6000人(同▲6.6%)だそうだ。
 国内外のメディアは、日本のインバウンド増加の原因を、アジア五カ国へのビザ緩和と円安によるものとして報じている。
 だが、相変わらずアウトバウンド数が報じられない為に、いまだ出入国格差が1.7倍近くの輸入超過である事には誰も気づいてはいない。そう、外貨獲得となるインバウンドはサービスの輸出であり、反対に日本円が外国へと出ていくアウトバウンドはサービスの輸入と同じなのである。
 そこで私は、今年1月から10月までの上位10カ国を抽出し、UNWTO資料に基づいて算出した五年間平均のアウトバウンド数で引いてみた。これにより、本来ならば余すところあと2カ月で埋め合わされて然るべきマイナス幅、つまり『格差』が出てくるからである。

        イン1月~10月迄  アウト過去平均    格   差
① 韓   国 2102400人 2795887人 ▲ 693487人
② 台   湾 1883400人 1212405人 
③ 中   国 1116100人 3626084人 ▲2509984人
④ 米   国  665900人 3266996人 ▲2601096人
⑤ 香   港  611000人  810639人 ▲ 199639人
⑥ タ   イ  346500人 1085106人 ▲ 738606人
⑦ 豪   州  198100人  423286人 ▲ 225186人
⑧ 英   国  162000人  248402人 ▲  86402人
⑨ 仏   国  133000人  657303人 ▲ 524303人
⑩シンガポール  131000人  568181人 ▲ 437181人

 この格差は、常に均衡もしくはプラスとなる台湾を除いては、たとえば中・韓のように、相手国に対する集客目標とすべき数値の筈である。でなければ経常収支を構成要因の一つであるサービス収支の改善など、いつまで経ってもあり得ないからだ。
 だが、アウトバウンドを自動車や発電プラント等の『モノ輸出』の、いわば代償として国がみているのならばその限りではない。いくら観光市場が国外へと流出したとしても、泣きをみるのは地方の観光業界だけで済むからである。

【おもてなし和食】 Hospitality in Japanese food

 震災と原発事故以来、久しくインバウンドが途絶えていたが、ようやく今年に入ってからは多少の出戻り感も出てきた。10月に松阪の某老舗旅館に宿をとったインバウンドのグループ、あるいはファミリーの発地は、ドイツ、カナダ、香港と多岐にわたるが、いずれも宿泊単価は一人二万円以上の一泊二食で、香港人ファミリーに至っては三連泊でもあった。
 さて、この単価、高いとみるか安いとみるか。
 実のところこの二万円を超えるプライスは、ごく限られた高級路線ホテルや温泉付き客室とのセット価格を除くと、三重県内にある平均的な旅館の平日価格帯からみて安い方ではない。値の張る理由は、ブライスの大部分を形成するのが和食ディナーの、それも高級ブランド松阪牛だからだ。このような高額商品が成立するのは、地域が長年育んできた食の文化が、それ相応の対価に相応しいと評価され、それが来日目的のうちの一つを担うからだと言えよう。
 これが国際ブランドによる集客力である。
 しかし、あるネットエージェントの地区担は、このような伝統的宿は平均客単価R/C5000円未満の町では不利だからと、廉価商品や泊朝、素泊りを推奨する。これは、明らかに旅行業者ではない同社の評価基準が成約率のみに偏重するが故に、料理を商品として見ていない証である。なのにこの会社は、今後はインバウンドにも力を入れると言う。だがそれは、恐らく『宿のカタログ』の域を超える集客コンテンツではないだろう。なぜならば、料理、それも無形文化遺産に登録される『和食』が、インバウンド集客向けであるという造詣が全く見当たらないからである。
 むろん料理だけでは足りない。
 それを育んできた街の歴史や文化は、とりわけインバウンド集客においては非常に重要なファクターだからだ。多くの日本人は海外旅行に際し、その国の人が日常的に見ている自然や歴史的建造物、史跡、博物/美術館から地域文化に対する憧れをいだくが、実際のところ、これはインバウンドでも同じである。日本人が欧州の石畳の文化に異国情緒をみるように、欧米人は木と紙でできた日本家屋にエキゾチズムをみる。それは、そこにしか無い非日常的現実として映るからだ。
 要は、自らの持つ当たり前の文化を、主観ではなく客観的な視点で見る必要があるという事である。
 客観視といえば、今後の観光市場を考えるにあたり、世界人口72億人に対して1.7%しかいない日本人の稀有な食文化は、来たるべきTPP時代においては、地産地消をもって『インバウンド向けおもてなし料理』化しなければ、もはや先が無い事にもお気づきいただけるかと思う。せっかくの文化遺産も危機遺産に転じる可能性があるのだ。なぜならば、70年後の日本人口は今の半分位になるが、これに対し世界人口は100億を超える。次世代の日本人は、僅か0.6%のマイノリティになるからである。

【2083年】2083

 どこかで日本の人口減少がストップでもしない限り、今後70年間で内需の約半分は失われる。急速な少子高齢化の結果として日本の人口が今の半分位になるからだ。
 これは、市場を国内だけとする売り手の数が今のままだと、需給バランスは永遠に買い手市場のままとなり、過当競争だけが激化する事を示している。国内需要だけを追い求める限り、右肩下りがいつまでも続くからだ。
 この事は、内需が減っていく分だけ外国に売りに行く、或いは買いにでも来てもらわない限り、需給バランスが釣り合うまでは、淘汰と再編が続くという事である。
 その兆しは既にベビー産業から始まり、学童向けの雑誌や玩具業界といった若年層向け産業からじわじわと始まってきているが、しかしこの負のモデルの実情を、いまだ1億2000万人を誇る現代日本の、それも大都会の喧騒の中に見出す事は困難である。だがそれは年を重ねるに連れ、あらゆる年齢層向け産業へと波及していく事は間違いないし、既に小スケールの類似性ならば、地方都市の実情に求める事もできる。
 そして2083年、日本の市場は今の半分だ。
 たとえばそれは、外需産業≒受客産業である日本の観光産業が、インバウンドを扱う事によってのみ右肩上がりになるし、反対に内需産業≒送客産業である日本の旅行産業にとっては、もはや淘汰と再編以外にないという事になる。

【失われた7618軒】7618 hotels lost (11/9夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie November 9 posts)

 伊勢志摩で最初の都市型ホテルが『伊勢国際ホテル』だった。それが改正耐震改修促進法(2013年4月号、7月号、9月号参照)を見越したのか、遷宮を前にした三月の末でとうとう廃業に至った。これは、前回の遷宮の折が大繁盛だっただけに、意外すぎる幕引きであった。
 厚労省の調べによると、今年三月末迄の2012年度の全国旅館軒数は、前年度比▲1452軒の4万4744軒との事だ。昨年秋に閉館した『ホテル百万石』や、今年の年明けに閉鎖した『琵琶湖温泉紅葉』も(2012年12月号参照)ここに含まれる事になる。また、これまで増加傾向にあったホテルも▲67軒で減少に転じた。
 つまり、たったの五年間で日本の旅館やホテルは7618軒も失われたのである。
 こうして、先進国・後進国問わず日本だけが唯一発展途上となった『外貨獲得の為のインバウンド産業』の萌芽は、摘み取られていくのである。
The "Ise international hotel", is a city hotel in Ise-Shima region first. it went out of business suddenly in March. though before The Sengu. the wonder in anticipation of "Revised seismic retrofitting Promotion Law"? was going out of business to be surprised. because it was very popular before.
"Ministry of Health, Labour and Welfare" was examined The Ryokans number of  last year. 44744 according to it. the time of the end of March this year. a year-on-year ▲1452. it is included. The "Hotel-Hyakumangoku" was closed in the fall of last year, was closed earlier this year "Biwako-Onsen Koyo".
Hotels number also began to decline as well. it is a ▲67.
In other words, Hotels and Ryokan, lost 7618 in just five years.
In this way, smacks of "inbound industry for earning foreign currency" is  plucked. even though it was late in the field of Japan.

      ホテルHotel       旅 館Ryokan
2007年度 9422軒     52295軒
2008年度 9603軒     50846軒(▲1449)
2009年度 9688軒     48966軒(▲1880)
2010年度 9710軒     46906軒(▲2060)
2011年度 9863軒     46196軒(▲ 710)
2012年度 9796軒(▲67)  44744軒(▲1452)

 この事は、前項にも書いたが、極論すれば内需だけなら次世代では、今の半分の軒数で充分だという事だ。業界の淘汰と再編はあらゆる業種に及ぶのである。これは、今から急いで外貨獲得産業化しなければ、国内市場の高齢化と共に年々歳々しんどくなってくるという事だ。
 一過性のイベントや、都会のお客さんにばかり気を取られたり、ましては人数ばかりを薄利で稼いでいるようでは、早晩手遅れになるのである。
I wrote in the preceding paragraph, but this In extreme cases, the next generation is sufficient in half the number of current. If only domestic demand.
Business bankruptcy or absorption merging, it extends to any industry. if the industry fails to external demand shift, pain will get worse gradually thereafter. the reason, rapid population decline that follows the aging.
Transient events. The number of people than sales. Goal from the metropolitan area to worry too much. these have contributed to the deterioration of the situation. but I think it would not late.

【食も教養の一つ】Food is the one of the also Cultural education (11/14夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie November 14 posts)

 何を今さらとうそ吹く者もあれば、代表取締役や調理長の辞任や更迭にまで及んだケースもある。今、大手百貨店やホテル、旅館、結婚式場などにおける食材産地の誤認、あるいは偽装が大きな問題になっている。中には返金に応じるところもあるようだ。
 事の原因は、ブランド指向が強い割には不勉強でプライス以上のものを求めてしまう消費者側が許してきた『暗黙の了解』と、それにつけ込んだ業界側の『赤信号もみんなで渡れば怖くない』式風潮が、日本人特有の『見栄』を助長した結果であると言える。
 したがって、隣のライバル店の品質よりも価格ばかりが気になる過当競争下において、今回の騒動とまったく無縁足り得るのは、目利きの職人と『地もの』に支えられた専門店のみとなるかも知れない。そこには、こだわり気質とトレーサビリティーの徹底があるからだが、それだけに、京都の高級料亭や、個体識別番号表示が徹底している松阪牛、そして、『地もの』だけで献立を立てる離島の民宿にとっては、この騒動もおそらくは無縁の話になるであろう。
 無形文化遺産に和食が登録される時代だ。どうやら私たち日本人は、『食も教養の一つ』として磨かなければならないようである。

【伊勢市のインバウンド招致】 Ise want inbound

 年間集客が1300万人に達する勢いだとする伊勢神宮。だが、再選を果たした伊勢市の市長は、インバウンド集客の推進を掲げた。なぜだろうか。
 おそらくそれは、来年以降の訪問者数減少に対する懸念あっての事だろう。市は、JR伊勢市駅前公園の改修と旅館誘致に5億もの巨費を投じた。が、遷座祭アフターの島根県もそうなのだが、抱えるコンテンツが余りにも日本人向けであるが為に、天井を打った以上は大きな反動期が訪れる。しかも今回の遷宮アフターは、前回あった『三重まつり博94』のような地方博もない(先日お会いした国内最大手の旅行社も、遷宮商品は来年の3月までと言う)。
 つまり、もはや開拓の余地は外国人しかないのである。
 だが、日本のルーツともいうべき古代日本の、いわゆる『国の光』を訪ねたいとするインバウンドの潜在需要は、一体どれ位あるのだろうか。残念ながら、最寄りの国際空港からの航空路線はGNIの低いアジア諸国中心でもある。どちらかと云えば、こちらは文化コンテンツよりもメイドインジャパンやトーキョー指向だ。予備知識なしで米国の先住民族史やアイルランドの史跡を訪ねたいとする日本人が少ないのと同様、文化情報がポピュラーでは以上、難しい市場である。
 そして、伊勢神宮は世界遺産ではない。
 したがって、論理的な善後策として落ち着くのも、大別すると以下の二つになる筈である。

一、中部国際空港からの、主にアジア圏に向けた産業視察ついでの立寄り遠足
二、関西国際空港からの、主に欧米圏へと向けた紀伊半島エキゾチズム探訪

 人数だけ稼げるのはどちらか、地域経済に恩恵があるのはどちらか、これについては言わずもがな、最大の問題は県や市が本気で取り組むか否かである。 

【送迎偽装】Illegal shuttle bus

 先日某レンタカー会社から、送迎用マイクロバスのダイレクトメールが来た。これは、年末年始の繁忙期を控えたホテルや旅館、飲食店に向け、名古屋の本社から広く発送されたものだ。
 しかし、直接電話で担当者に訊ねてみたところ、車両のナンバープレートは白だとの事。つまり自家用としてのレンタル車両であって、営業運行が許される緑ナンバーではないという事だ。この点に付き担当者は、『大型免許持ちのドライバーならば大丈夫かも』とあやふやな返事しかできなかった。
 結論から言えば、顧客送迎を白ナンバー車両で無料運行する事は違法である。たとえば万一事故に遭った場合、たとえそれが貰い事故であったとしても、搭乗者にケガ人が発生するような事にでもなれば、それは営業上の事故として扱われ、自家用白ナンバーの保険適用は難しくなる。つまり補償は店側にも及ぶのだ。白ナンバーで送迎していいのは従業員の送り迎えぐらいである。
 ただ、拡大解釈として最寄り駅までの顧客送迎ならば、古くからの商慣習として黙認されている部分もある。かといって、更にそれを拡大解釈して中・長距離の旅客運送まがいを行えば、それは違法行為として摘発の対象となる。だから緑ナンバーを取得し、ドライバーにも二種免許を取らせて、送迎を実費有償化した旅館もあるのだ。
 年末年始は特に慌ただしい。しかも遷宮年ならば尚更だ。幹事さんは、無知につけ込んだ白ナンバー送迎を避け、タクシーやチャーターバスといった安心安全の公共機関を利用すべきである。

【米国の罠 】Advanced tactics of the United States

 TPP交渉につき米国が、米以外の農産物の関税撤廃を求めてきた事が、11/15の朝刊で分かった。
 これは大変な事である。米だけが相対的に高額産品になってしまえば、食の欧米化が一気に進んで、更に米離れを加速させる事になる。
 つまりTPPの結果として、日本の高すぎる家計に占める食費の支出割合が米国やシンガポール並みにまで下がった場合、今の国産米価は相対的に他産品に比べ、倍以上の高額産品になってしまうからである。
 こうなると、米を中心とした日本の伝統的な食文化は庶民の食卓から淘汰され、いずれは高額料理と化す。
 結果は同じなのである。
 ならば、安易に例外扱いなどは求めずに、世界に売れるような価格が形成できるよう尽力する事の方が、大事なのではないか。
 どうやら米国には、優れた策士がいるようである。
The TPP negotiations, the United States has sought the elimination of tariffs of agricultural products other than rice. from morning paper of November 15.
This is serious thing. in the case of still relatively high rice, "Rice away" to proceed further. and, meal to fix in Western style.
Because, Share of food expenditure in Japan is too high.
So, when it becomes equivalent to the United States and Singapore in the TPP, Japanese rice is the only expensive. compared to other products, it's expensive ingredients more than doubled.
At this time, the traditional food culture of Japan with a focus on rice, transformed into an expensive dish in the end. tradition disappears from the table.
Results are of the same.
Japan should not seek an exception. importantly, the formation of the price to sell in the world.
Clever tactician is present in the United States clearly.
And, 100 elite of Japan is stupid.

【松阪さんぽ】Stroll Matsusaka

 夕刊三重新聞社は11/20、全国初の松阪だけに絞ったガイド本を刊行した。タイトルは『松阪さんぽ』。その狙いは、年末年始を控え、遷宮景気で湧く伊勢神宮への参拝客を、少しでも松阪への誘致に結び付けたいとの事である。キャッチコピーも、「もう、“伊勢への通過点"とは言わせない」と大いに踏み込んだ。
 オールカラー、全9章からなるこの本には、食文化、名所・旧跡、神社・仏閣といった、戦災遺失を免れた貴重な歴史文化コンテンツに加え、四季の花々や自然の表情といった地元新聞社らしいフッテージも多く織り込まれている。発行部数は初版一万部だ。
 ただし、その販売は目下のところ地元の限られた書店と施設にとどまるようである。松阪でしか手に入らないのだ。これでは官製のガイドマップや地元啓発用パプリシティとあまり大差はない。だから、宿泊施設の紹介が最終章なのだろうか。
 また、コンテンツの性格上、最も関心を引くであろう外国人に向けた視点、つまり英訳もない。将来的に日本橋で販売するのならば、46道府県の全市町村がライバルでもある以上、差別化を図る意味においても英訳を添える事は重要である。東京五輪も踏まえ、このグローバル観光の時代に松阪市に興味を持ってくれるファンを、わざわざ日本人だけに限る必要などないからだ。
 しかしながら一都市だけのガイド本を、地方紙が手探りで創った事は評価されるべきである。版を重ねるに連れ、より進化すれば幸いである。
 なお、地元啓発の役割として、『来年からは元旦から店を開けてみようかな』という声が1軒でも増えれば、町のおもてなし面向上においては申し分ないだろう。なぜならば、遷宮アフター最初の三が日の中食需要だけは、とても伊勢だけで賄い切れるものではないからである。

【土地が人を育む】The land Grow humans (【本居宣長記念館】改題)

 瞬時に『情報』が得られるネット時代の今とは違い、限られた情報にしか接する事のなかった18世紀後半。とはいえ、紀伊半島東部に位置する松坂は街道拠点として、多くのヒト、カネ、モノが行き交う分、本居宣長の思考、考察を育むのにも充分な情報量があったと思います。
 ひるがえって現代。今年は伊勢で式年遷宮が行われ、例年にない多くのヒトが行き交いました。今回も『情報』は、この松阪の地に、さぞや多くの足跡を残していった事でしょう。
 が、こう書きますと、テレビや新聞、雑誌、インターネットから世界中の情報が得られる時代に、何を今更時代錯誤な事を、と申される向きもあるやも知れません。人づての情報など、もはや取るに足りないのではないのかと。
 ですが、そうおっしゃる向きに限ってその『情報』が、既に『考察』を必要としない『加工済み情報』に過ぎないということには気づいてないと思います。得た『情報』を分類、考察し、分析評価して世に問う力、それは自らが『情報』を求めようとする力があってこそ、そこで初めて生じるものなのですから。
 たとえば私が得たささやかな生情報の一つ、国内最大手旅行業者の遷宮商品の大々的なセールスは、来年の三月いっぱいをもって終わるといった情報は、どのメディアからも出てはいません。これは各地から遷宮に向かう団体旅行の業者に毎日会って得たものですが、これも街道拠点として多方面からの中食立ち寄りが多かった、松阪の地ならではだと言えるでしょう。おかげで、傾向を知ったからには対策も立ちます。
 どうやら日本人の動きは、今昔そう変わらないようです。
 しかし現代人は自らが能動的に『情報』を求めようとはあまりしません。だから、得た『情報』を分類、考察し、分析評価して世に問う力も弱くなっています。その元凶は、氾濫する加工情報と、ゲームやバチンコ等に代表される時間の無駄遣い、そして『学びの力』を教えてこなかった、これまでの教育現場にもあると思います。
 されど、世はグローバル競争時代。今まで以上の知恵が必要な世の中です。ならば、これからの若い人達には能動的に情報を求める力と、それを分類、考察し、分析評価して世に問うまでの力を身につける事を(道徳の時間などで)教える必要があるのではないでしょうか。
 つまりこれからの本居宣長記念館には、文化観光コンテンツのみならず、学童教育の場としての位置付けも求められるのではないかという事です。
 ところで、三重県の観光連盟がシーズン毎に発行している『観光三重』秋号の歴史街道特集に、『和歌山街道(R166側の伊勢街道)』の記載が全くない事に気づいた方は何人いましたか?
 先だってNHKの『歴史秘話ヒストリア』でも紹介された、大和文化と伊勢文化が松阪の地で出会った証ともいえる舟型埴輪(五世紀)も、和歌山街道と伊勢参宮街道との分岐点あっての話。もちろん本居宣長の大和路めぐりも然りで、『菅笠日記』をいざなった重要街道であるにもかかわらず、です。ご存知なかったのでしょうか、県は。

【ベータ線濃縮水】β-ray concentrated water

 7/1付以来、外務省の『諸外国・輸出入等関連措置』の方は情報更新がないが、農林水産省のHPを見ると『諸外国・地域の規制措置』として、各国が実施している食品食材輸入規制に関する新しい情報を知る事ができる。
 12/1現在、確認できるのは10/2付。これを見れば相変わらず37もの国が、輸入停止や検査証明書を求めている事が分かるし、ここから水産庁のHPにアクセスすれば、水産物の輸入規制を強化した韓国の詳細も分かる。
 これによると韓国政府は日本に対し、ストロンチウムおよびプルトニウム等の検査結果を、つまりベータ線やアルファ線の測定結果を要求してきているようだ。
 だがこれは、主にセシウムやヨウ素等が放射するガンマ線を計測する、現在主流のゲルマニウム半導体検査器では測定できない放射線である。
 3.11から二年と八ヶ月。これまで日本のメディアは、ベータ線による内部被曝の懸念があっても、環境的には透過力の強いガンマ線さえ計測していれば問題ないとする政府見解に従ってきた。人体被曝を調べるホールボディカウンターも、これしか計測できない。それだけに、今さらガンマ線以外をクローズアップしても、内政に支障をきたすだけである。
 知ってか知らずか韓国は、この日本の矛盾を突いたのだ。
 しかし厳しい措置を執った以上、韓国は国際社会に対し、その根拠となる科学的知見を明らかにすると同時に、『本当の収束』に向けた協力と支援を提供すべきである。これは同様の措置を続ける中国や米国政府に対しても言える事だが、太平洋の水産資源と2020年の五輪は、けっして日本だけのものではないからだ。
 なにしろ今もTEPCO(東電)は、ガンマ線の出ない『ベータ線濃縮水』を、文字通り溢れんばかりに作り続け溜め込んでいるが、日本政府は建前上、平静を装う他に方法がないからである。

【ベクレル検査】Becquerel inspection

 水産庁のHPの中に、『福島県内での原発事故にかかる我が国水産物の調査(輸出業者の方へ)』の項目があり、『水産物の放射性物質の検査の結果について(平成25年10月以降公表分 pdf:893KB)』全127ページも、ここからダウンロードできるようになっている。現在見られる最新版は11/14付、10/1から11/11迄の期間だ。これには検査項目を合算して四捨五入した数値と、その内訳が載っている。
 と言っても、その項目は僅かに二つ、セシウム134と137だけだ。やはりガンマ線しか測ってないようである。したがって検体10994号から13396号迄の2402中、基準値超えした検体も僅か23検体(下記参照)にとどまる事になる。
 これは、アルファ線やベータ線はガンマ線よりも透過力が弱いから、ガンマ線さえ測っておけば、手間暇のかかるアルファ線やベータ線まで測る必要はないとしているからだ。
 しかし環境からの外部被曝ならばともかくも、透過力云々等は体内に入ればナンセンスだし、だいいち、濃縮されたストロンチウム水やトリチウムは、元々ガンマ線など出しはしないのである。

検体  所轄県  日付  アイテム 合算値≒134(Bq/Kg)+137(Bq/Kg)
11104 フクシマ 10/02 ババガレイ 300 101.0 195.0
11109 フクシマ 10/02 ヒラメ   130  41.2  87.2
11202 イバラキ 10/02 マダラ   130  39.5  90.0
11371 グンマ  10/08 ワカサギ  110  33.8  77.0
11470 フクシマ 10/09 シロメバル 500 154.0 347.0
11764 グンマ  10/11 ワカサギ  150  43.3 105.0
11795 フクシマ 10/16 クロダイ  160  50.1 112.0
11863 フクシマ 10/16 コモンカスベ140  42.6  96.0
11864 フクシマ 10/16 コモンカスベ160  43.7 116.0
11872 フクシマ 10/16 シロメバル 380 116.0 268.0
12224 フクシマ 10/23 コモンカスベ200  57.9 139.0
12296 フクシマ 10/23 シロメバル 430 124.0 305.0
12353 ミヤギ  10/23 クロダイ  110  34.3  76.3
12569 フクシマ 10/30 イシガレイ 110  38.2  72.0
12580 フクシマ 10/30 コモンカスベ140  45.9  91.3
12656 フクシマ 10/30 シロメバル 330 105.0 227.0
12738 フクシマ 10/30 ヤマメ   270  76.6 197.0
12739 フクシマ 10/30 ヤマメ   190  54.2 132.0
12759 ミヤギ  10/30 イワナ   250  70.0 177.0
12827 チ バ  10/31 ウナギ皮付 140  41.7  95.5
12926 グンマ  11/01 ワカサギ  170  48.2 117.0
13057 フクシマ 11/06 シロメバル 120  37.9  81.3
13358 グンマ  11/08 ワカサギ  130  35.7  91.1

【なら奈良レポート2013.1127】Report a precedent of Nara 2013.1127

 世界遺産平城宮跡にある『平城京歴史館』。その二階の会議室から望む大極殿はいつ見ても壮観だ。修学旅行や遠足シーズンも一息ついて、次なるメインイベントはお正月。聞けば今度の元旦は開館するとの事。そういえば、今年は広島の『原爆資料館』と『追悼平和記念館』も、元旦から開けてみたら活況を呈したと報じられていた。鳥羽の『海の博物館』も開けたら910人だ。帰省の折りに、親が生まれ育った故郷の文化を子に見せる事はたいへん有意義な事でもある。そして旅行者にとっても、開いている事が何よりの『おもてなし』だと思う。
 と、会談中に、とんでもない報が飛び込んできた。伊勢市の赤福元社長の発言、『おかげ横丁に外人は来てほしくない』との旨だ。これは、11/26 に三重県地域支援課が開いた『地域活性化フォー ラムin三重』の壇上での事である。おかげで市と県は火消しに追われ、赤福はHPで詫び状を今の社長名でpdf掲載した。そして本人も後の新聞社の取材に対し、『伊勢は日本人の心のふるさとで、日本の方々に喜んでもらう街をつくりたいという意味の発言だった。偏見ではない』と取り繕ってい る。
 しかし、外交的には後のまつりだ。実はこの日伊勢の市役所へは、中国からの外交関係者が市長を訪ねていた。これは自治体国際化協会が、事業の一環として福建、遼寧、四川などの省幹部達を招いたものだ。目的は観光交流や姉妹都市提携である。一体全体この国は、防空識別圏問題で世界を揺るがしておいて、どういう了見なのだろう。 ひょっとしたら元社長の発言は、これに対する牽制のつもりだったのかも知れない。だが、それにしても『(外人が)いたらおかしいでしょ。来ないでくれとは言えないが、英語の表記をするような気遣いはしない』との発言は、オブラートだとしても全く余分である。
 平城京歴史館を後にして、私達は奈良県国立博物館前、春日大社前、そして興福寺境内とさくら通り商店街を見て回った。どこもかしこも洋の東西問わず、インバウンドが目立つ。伊勢に引っ張られているのか、日本人団体の姿はごく僅かしか見ない。出会ったグループ客の殆ども、聞き耳を立てれば香港人か台湾人だ。ことのほか鹿がお気に入りのようである。
 特筆すべきは何の変哲もない商店街の人気ぶりだ。巾着うどんには台湾人の行列が、ダイソーの和のものコーナーやキティちゃんコーナーには、お土産を物色する外国人の多言語が飛び交ってい た。露天販売の一口よもぎ餅を頬張る台湾人もいる。 私達は、観光ビジターズビューローと奈良市観光協会に寄って当地のパンフレットを渡すと、晩秋の古都を後にした。

【中国との姉妹/友好都市提携 三重】

 1980年四日市市 河北省天津市
 1984年 津 市 江蘇省鎮江市
 1986年 三重県 河南省
 1991年 津 市 河南省恵済区
 2004年 名張市 江蘇省蘇州市
 2007年 尾鷲市 遼寧省大連市金州区
 2008年 松阪市 江蘇省無錫市濱湖区

 なお、今年の始めに号外にも書いたが、残念ながら三重は『観光立国宣言』をするつもりはないとの事。県は苦言を呈するよりも、先にやるべき事がある筈である。

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O.H.M.S.S. (Ohuda,Higashi-kishu,Matsusaka-area,Sightseeing Support )
Shigeki  Imura
ohmss700@gmail.com

Back Issues of "About the involvement of the tourism industry and regional development "
http://ohmss700.blogspot.jp/?m=1