2013年12月2日月曜日

No.72・73『地域振興と観光産業のかかわりについて2014』正月号・2月号

№72 "About the involvement of the tourism industry and regional development 2014" New Year Issue 2014.0101 

【音】Sound (12/4夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie December 4 posts) 

 渓流のせせらぎに、鈴虫やコオロギが奏でる音、そして、古事記伝を編纂した本居宣長が長年愛でてきた鈴の音も、疲れを癒やすに充分な効力があった。音は昔から、人の感情を左右してきたのである。
 ところが現政権の幹事長は、こともあろうに、特定秘密保護法反対のデモをテロ扱いした上に、シュプレヒコールを『音』呼ばわりした。
 どうやら堪忍袋の緒が切れたようである。デモの拡大が、制御不能の直接民主主義に通じる恐れがあるからだろうか。
 だがそれは、自身の言葉を借りるのならば『音』の筈。憲法で保証された言論の自由に則った国民の声との認識がない以上、それをテロと断じるのも自己矛盾を呈するお粗末さである。
 ところで、この国民の声を『音』とする表現だが、前にも一度聞いている。たしか、今は野党の全政権末期の首相の口からだ。首相官邸前における原発再稼働反対デモに対してである。
 リベラルな国民目線から見れば、特定秘密保護法反対も原発再稼働反対も、論理的かつストレートな正論だ。それがどういう訳か彼らの耳には、異論にしか聞こえないようである。
 ならばその耳は、もはや国民の代表たる議員の耳とは言えず、ただ単に霞ヶ関シナリオをなぞる者の耳だとしか言いようがない。
 きっと彼らの耳を癒すのは、『勇壮な音』なのであろう。

The sound of the mountain stream. sound of insects in the fall. And, Motoori Norinaga loved sound of the bells. he is the person who compiled the "Kojiki Den". the Sound to heal tired. since ancient times, the sound has had an effected on the emotions.
But secretary general of the current administration, called it "sound" the voice of the people. he said, protesters that's the same as terrorism. for a particular secret protection bill.
It means that he could not bear. authority is powerless to direct democracy. given the demo to escalate, he seems to be afraid of it.
However he said, voice of the people is Sounds. It's a statement of contradiction, but the parties have not noticed. is stupid.
By the way, have heard it even before I am. voice of the people is "Sound". It's from the mouth of the prime minister of the previous government. it's nuclear power generation anti-re-running demonstration.
Both are logical demonstration. It's a correct claim of liberal people. but, it does not reach the ears of them. why not? because that does not want to admit the objection.
If so, it can not be said does have ear of national representative. it's the ears of those who trace the Kasumigaseki scenario.
Comfortable in their ears, it is probably a "sound heroic."

(Original-Abend das Papier Mie Dezember 4 Beiträge)

Der Klang der Gebirgsbach. Summen der Insekten im Herbst. Und Motoori Norinaga geliebten Klang der Glocken. er ist die Person, die übersetzt "Kojiki Den". der Ton, um zu heilen müde. seit der Antike ist der Ton ein erfolgtes auf die Emotionen hat.
Aber der Generalsekretär der gegenwärtigen Regierung, nannte es "Sound" die Stimme des Volkes. , sagte er und Demonstranten, die die gleichen wie Terrorismus ist. für einen bestimmten Geheimschutz Rechnung.
Es bedeutet, dass er es nicht ertragen konnte. Behörde ist machtlos, die direkte Demokratie. angesichts der Demo zu eskalieren scheint er Angst davor zu sein.
Allerdings sagte er, die Stimme des Volkes ist Sounds. Es ist eine Erklärung des Widerspruchs, aber die Parteien haben nicht bemerkt. ist dumm.
By the way, haben davon gehört, noch bevor ich es bin. Stimme des Volkes ist "Sound". Es ist aus dem Munde des Ministerpräsidenten von der vorherigen Regierung. es ist Atomstrom Anti-Re-Demonstration laufen.
Beide sind logische Demonstration. Es ist eine richtige Forderung des liberalen Menschen. jedoch ist es nicht zu Ohren davon. warum nicht? denn das will nicht den Einwand zuzulassen.
Wenn dem so ist, kann es nicht gesagt werden kann, hat zwar Ohr der Landesvertretung. es ist die Ohren derer, die die Kasumigaseki Szenario verfolgen.
Komfortabel in die Ohren, vielleicht ist es die "Sound heroischen".

【特定秘密保護法】Specific secret protection law

 米国の要請を受けた霞ヶ関が、時の政権に委ねたとしか考えられない『特定秘密保護法』が、衆院可決に続いて12/6夜、参院でも可決された。これは、①防衛、②外交、③外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止、④テロ活動の防止といった四つの分野の機密情報を、省庁の長が『特定機密』に指定できるというものだ。
 連日、日本の新聞は、これは『国民の知る権利の侵害』だと読者に訴えかけてきた。だが、大きな世論を形成するには至らず、総務省に放送免許を握られているテレビ局も世論喚起には与しなかった。
 当然である。
 たとえば、以前は毎月更新されていた日本産品輸入に関する諸外国の規制情報が、7/1付を以って外務省から出なくなった事に続き、10/2付からは農林水産省も追従しているが、この事を日本の新聞は(初期に報じた記事の経過続報としても)、今も全く伝えようとはしない。国内外問わず食に関する安心安全情報は、全ての消費者の健康に関係があるにもかかわらずである。
 それは何故か。
 恐らく②と③に抵触するからに違いない。これがSPEEDI情報の隠蔽と、同根にある事は百も承知の上でである。
 さかのぼれば炉心溶融の時期について、あるいは危険区域内の報道や首相官邸前における反原発デモ報道の時もそうだったのだが、既にトップ屋が死語と化した今の日本の大新聞は、記者クラブ以外の情報には極めて消極的になっている。つまり新聞社が株式会社である限り、また、大口クライアントからの収入減も鑑みると、社命を賭けてまでして民主主義を問うことなど、今更あり得ないという事が紙面からも透け出てしまっているのだ。
 資本主義が民主主義や社会主義といったイデオロギーをも凌駕する、それが21世紀である。一体この法律は、何から何を守るというのだろうか。
 論理的に予測できるのは、過度の秘密主義が超高速取引の判断に影響を及ぼす事。そして、個人投資家の利益確定が極めて困難になる事である。

JETRO【米国の輸入規制措置】Import control measures in the United States

 ところで、『地域振興と観光産業2013』10月号の中の【東京オリンピック、決まったからには】を書いた時点では気付かなかったのだが、今になってJETROのHPの中に、米国の輸入規制措置の変更がこっそり載っているのを見つけた。
 この輸入規格の変更は2013年の9/9付。ちょうどこの日は韓国が、福島周辺8県からの水産物を全面輸入禁止とした日と同じである。
 だが、日本のメディアは新聞一斉お休み日の9日を挟んで、韓国の件は報じても米国の措置には触れず、その後は東京五輪開催決定の報一色となってしまった。
 これにより、国内報道だけではOpensource Intelligenceが成立しない事がよく分かる。

[出荷制限対象品目の輸入停止県(神奈川は解除されるも8県から14県へと増加)]
・・・・・青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、静岡

[牛乳・乳製品、農産品につき米国の食品安全基準に違反していない事の証明が必要な県]
・・・・・福島、茨城、栃木

[全ての食品、飼料につき米国にてサンプル検査される県]
・・・・・上記3県以外全て

【TPP】

 なお、年内妥結に向けてTPP閣僚会議がシンガポールで始まったが、12/5付けのロイター通信によると、米国議会は緊急輸入制限措置導入を検討しているとの事である。なんでも、日本車の対米輸出が急増した場合に備えてだそうだ。同時に、厳しすぎると日本の安全基準の緩和も求めている。
 つまり米国市場に過度の期待は持てないという事だ。下手をすると自動車も、過去五年間平均4.57倍もの開きがあるインバウンド(日本行き米国人観光客は71万5453人/年間)とアウトバウンド(米国行き日本人観光客は326万6996人/年間)との関係のように、売るよりも買う方が遥かに増えるかも知れない。
 いくら農産品を譲歩してもである。
 米国側にしてみれば、デトロイト市が破綻都市となった以上、当然といえば当然なのかも知れない。しかし、この日米二国間に横たわる大きな問題が、日本で報じられていないのは問題だ。特定秘密になるのを見越しての事だろうか。
 貿易収支を見る限り今や日本の自動車産業は、唯一残された20世紀型外貨獲得産業だと言っても過言ではない。裾野も広い。
 こう見ると経済再生担当大臣が、急にリタイアしたのも分かるような気がする。
 翌12/8のNHKニュースによると、『日本自動車部品工業会』が集計した今年度上半期の中間決算では、上場企業等主要82社のうちの実に約40%が前年同期で減益との事。その原因は、エコカー補助金終了による国内新車販売の低迷と、軽自動車増加による単価下落だそうだ。メーカー各社は、アベノミクスによる円安で、大幅な業績改善を見ているというのにである。
 はたして地域経済が渇望する『第三の矢』は、何処へ飛んで行ったのか。まさか、日本からの設備投資を引き込んだ、アジア諸国に飛んで行ったのではあるまいな。
 12/10、妥結は越年となった。次回は2月である。

【紀伊半島歴史文化観光圏】Tourism zone historical and cultural in "Kii-Hanto".

 中間決算といえば、2013年4月から9月期迄の中間決算から、三つの国際空港の数字を拾ってみた。
 成田国際空港の国内線利用者は251万人で、国際線は1561万人。
 関西国際空港の国内線利用者は302万2000人で、国際線は595万3000人。
 そして、中部国際空港の国内線利用者は277万9000人で、国際線は225万3000人だ。
 どうやら差がつくのは国際線のようである。
 こういった比較材料はローカル経済圏や株主への配慮からか、なかなか報じられる事はない。だが、このように客観視できれば疑問点や改善の余地も見えてくる。中部の国際線が弱いのは、路線の殆どが中韓とアジア便ばかりだからである。いつまでも身びいきばかりでは、『ひいきの引き倒し』になってしまうだろう。
 日本人は、この小さな島国を細かく区切って縄張りを張り、ミニミニ競争するのが好きである。だが、世は既にグローバル経済時代なのだ。いにしえの文化観光コースを、欧州のように、経済圏の縄張を越えて世界に示す必要がある。
 つまり世界遺産熊野古道のように、街道史を生かして紀伊半島文化観光圏を形成し、関空から入って中部から発てるだけのコンテンツ発掘と情報発信が必要なのだ。
 それができる都市は、今も昔も街道の要にある松阪市だけである。

From interim results up to September period from April 2013, I've picked up a number of international airports of three.
Domestic users of Narita International Airport is 2510000 people, international flights 15610000 people.
Domestic users of Kansai International Airport is 3022000 people, international flights 5953000 people.
and Domestic users of Chubu International Airport is 2779000 people, international flights 2253000 people.
Apparently, the big difference is international flights.
Comparison articles like this, are not reported almost. it's because it is annoying to investment sentiment and local economic zone. questions and room for improvement can be seen, if the objective view. China, and South Korea, Centrair weak is Asia flights is excessive. The "favor" is reverse effect.
Japanese want to split into smaller territory further, the island nation. on top of that, like to be a small competition. but, it obsolete. age is global economy now.
It is in need of territory beyond economic zone. in order to emulate Europe, you must show the Japanese cultural tourism zone of the old days, to the world.
Tourist entries from Kansai International Airport.  return home is from Centrair.
In other words,  should create a "Kii Peninsula cultural tourism zone". with the World Heritage Kumano Kodo.
Work to be done, it is the information dissemination and content acquisition.
The only city Matsuzaka is possible. Because there is still the key point. still it does not change.

【夢】Fantasy

 ご存知のように、『熊野三山』とは山の事ではない。今の和歌山県に在る三つの神社、『熊野本宮大社』『熊野速玉神社』『熊野那智大社』の事である。
 ここに至るまでの参詣道が世界遺産としてリストに登録されたのが2004年。今年はちょうど10年目の節目である。
 中でも欧米圏インバウンドに人気なのが、関西国際空港から入って、高野山から〜熊野本宮大社の小辺路ルート。このうちコアなお客さんは、更に熊野那智大社を経て、勝浦泊まりとなる。
 だが、三重県側にある中部国際空港から入って、熊野古道伊勢路経由といのはあまり聞かない。という事は、三重県が10周年集客で想定する顧客層も、下手をすると中部圏あるいは県北の日本人だけでお茶を濁す可能性が高い。なぜならば、東紀州には大型宿泊インフラがないので『遷都』や『遷宮』のように、隣接都市の賑わいが宿泊客を呼び込んだ京都や鳥羽市のようにはいかないからだ。また、全天候型インフラも無いので、入り込みそのものが寒暖風雨の影響を受けやすい。
 かといって、ホテルや水族館を作ればいいという問題でもない。
 では、どうすればいいのだろうか。 
 例えば、紀北町の宿泊収容力はキャンプ場を除いて900人、尾鷲市も1013人ある。合わせれば松坂市の1686人を上廻る収容力だ。熊野市も1450人と意外に多い(H24の12月現在)。
 つまり団体客は無理だとしても、個人客やインバウンドの取り込みを図るポテンシャルは充分有るという事だ。必要なのは、紀北町で取り組んでいるその取りまとめの拡大と、海外をも含めた情報発信なのである。
 宿泊客は地域経済への波及が広い。いつまでも立ち寄り客だけでいいと手をこまねいていると、宿泊客は殆ど和歌山行きとなる。
 東紀州は10周年目にして、全域の着地点化が必要である。でなければ、いつまで経っても南三重の活性化は夢であろう。

【インバウンド安保】 The security by inbound

 ようやく12/15付の朝刊で中日新聞は、17日の閣議決定を待つ防衛省の中期防衛力整備計画に書かれた、来年度から五ヵ年に渡る兵器購入について報じた。
 だが、そこにはオスプレイ17機と水陸両用車52両しか書かれてはいない。しかもその掲載は、伊勢志摩地方に配布される10版のみである。いったい中日新聞は何を遠慮しているのだろうか、中経連か?
 12/13のNHKニュースによると、この他にもグローバルホーク3機や、機動戦闘車99両も紹介している。その防衛関係費の総額は5年間で24兆6700億円だ。
 防衛省は調達改革によるコスト削減で、このうち7000億円を捻出するという。だが、それでも23兆9700億円である。単純に5で割ると年4兆7940億円だ。フクシマ除染関係費5000億の10倍近い。
 ちなみに観光庁2014年の概算要求は、前年度の1.27倍である123億3600万円(2013年度予算は102億3200万円)だ。388分の1以下である。
 沢山のインバウンドは安全保障でもある。国際問題になるからミサイルの標的にもならない。そして、平和産業である国際観光振興に大きく舵を切れば、地域経済も雇用も助かり自動車産業に次ぐ外貨獲得にもなるのである。

【出入国較差2013(1)】Emigration and immigration the difference in the number,
2013(1)

 その観光庁の下部組織であるJNTO(日本政府観光局)は、昨年2012年のインバウンド数を二度ほど改変している。今年初めの暫定値発表時では836万8100人。それが確定値836万7872人となり、それもまた835万8105人へと再修整されている。つまり暫定値発表の時点で、約1万人程のサバをよんでいたのである。
 したがって、2013年11月迄の累計949万9300人を以って、インバウンド年間1000万人が達成できそうだとする、12/11付JNTO公報の数字も鵜呑みにはできない。
 また、インバウンド数だけが一週間早く集計/報道されて、アウトバウンド数については12/18になるというのも不思議である。何か、インバウンド数だけを先にプレスリリースしておかなければならない、特別な理由でもあったのだろうか。
 ちなみに、10月迄の出入国較差はインバウンドが865万9500人に対して、アウトバウンドが1458万9801万人。既に1.68倍の出国超過となっている(前年度は、まる一年で2倍を超えた)。
 つまり、インバウンド/アウトバウンドを諸外国のように、外貨獲得の為の国家ビジネスとみれば、確信的利益の遺失ともいえる状況は、まだまだ続いているのである。

 さて12/18。予告どおりJNTOから11月のアウトバウンド数がリリースされた。
 暫定値は139万人。同月のインバウンド数は83万9800人だから、約1.66倍の出国超過となる。11ヶ月間の累計でみても、インバウンド949万9300人に対して、アウトバウンド1598万人で1.68倍の出国超過だ。海外旅行は伊勢神宮よりも遥かに多いのである。
 そして12/20。インバウンドは成田空港のタイ人夫婦(!)を以って1000万人に到達した。国連世界観光機関の統計資料によると、人口約6950万人のタイ人の日本行きは5年間平均で年17万9350.6人。日本からのアウトバウンドは、5年間平均で年108万5106.6人である。

【ニューヨーク】N.Y.

 NY経済新聞や産経新聞によると、2013年のニューヨーク市の観光客入込見込数は5430万人との事である。これは前年を3%ほど上回る史上最多で、その経済波及効果は587億ドル(約6兆円≒11万円/一人)だそうだ。そのうちインバウンドは1140万人。これはその二割超にあたる。

【トモダチの懐具合】 Financial condition of TOMODACHI

 12/19の朝刊に、11月の日本の貿易赤字▲1兆2929億円の記事と、7月から9月期の米国の経常赤字▲948億4000万ドルの記事が出た。だが、周知のごとく貿易収支は、サービス収支と所得収支と計上移転収支と共に、経常収支を構成する要素の一つである。一緒に載せられても比較も考察もできない。
 そこで過去34年間の米国の経常収支をチェックしてみたところ、1982年の赤字転落以来僅かに黒字化した1991年(29億ドル)を除くと、ずっと赤字続きである事が分かった。どうりで最近のアメリカ映画が貧乏くさい筈である。
 そして2013年も、IMFの推計によると4514.6億ドルの赤字だそうだ。1ドル103円で換算すると▲46.5兆円である。
 一方、日本の経常収支は1980年の▲107.5億ドルを除くとずっと黒字である。IMFの推計によると2013年も610.6億ドルの黒字。1ドル103円換算だと6兆2891.8億円になる。
 だから日本は、何だかんだ言っても外貨を稼いでいる以上、TPPは譲歩すべきだし、オスプレイやグローバルホークもどんどん買うべきである、と言うのがトモダチの本音かも知れない。債務残高1000兆円超えも知った事ではない。米国も大変なのだ(※)。
 だが、日本の経常収支を支えているのは所得収支である。これは、過去の蓄えによる内部留保を担保とした、いわば大資本によるマネーゲームである。
 それだけに、商品開発や地方の経済活性化、雇用の安定、人口増加には程遠い。家電産業が斜陽化した今、クルマとペット原料だけが主力では、貿易収支が毎月赤字になるのも当然なのだ。
 つまり貿易収支の赤字幅が相殺できるだけの、インバウンド産業によるサービス収支の底上げがなければ、地方経済の活性化や雇用の安定、そして人口バランスの回復もないのである。

(※)IMF推計によると、2013年の日本政府の債務残高は1176兆9261億2000万円。
米国政府も17兆7235億9000万ドル(1825兆5297.7億円=103円換算)抱えている。
12/17の中国国際放送によれば、世界最大の米国債保有国である中国の10月保有額は1兆3045億ドル。二位の日本は1兆1744億ドルの米国債を保有しているとの事である。

【観光産業振興による雇用促進】The employment promotion by the tourism industry promotion

1[背景]

 再三再四書いてきたことだが、日本で観光産業が(諸外国と比べて)未発達となったのは、外貨獲得政策に適う素養が無かったからである。なぜならば、現在ある観光産業の多くは戦後の経済成長期に於いて、いわば製造業の保養産業としての立ち位置を保つ事により、土日と祭日、そして盆正の国内需要が保証されていたも同然だったからだ。年間の3分の2が赤字であったとしても、残りの3分の1の期間で取り返す事はできたのである。
 もちろん景気や人気、病気や天気に左右される年もある。だが、まだ取り返す機会はこれから幾らでも有ると楽観視できた国内市場の蓋然性に支えられ、製造業のようなきちんとした生産計画を持たずとも、この業界は、いわゆるどんぶり勘定の水商売として長らく食う事ができたのだ。
 ところが、それが21世紀に入ってすこぶる怪しくなってきた。
 少子高齢化による次世代市場の自然減に加え、海外旅行との競争激化が、豊富なシニア層市場をも奪い始めてきたのである。
 たとえば、70年後の日本の人口は今の半分になるというが、これは今ある国内市場の半分が失われ、今ある観光インフラの半分が過剰になるという事である。なんだ、まだ先の事じゃないかと言うなかれ、これは、さながら椅子取りゲームのように、じわじわと事業者や自治体を疲弊せしめ、LCC等のアジア便の増便も、全ての国内の観光産業や自治体が潤う程にインバウンド(訪日外国人観光客)が増えるよりは、アウトバウンド(邦人の海外旅行)の方が圧倒的に多い逆行状況を加速していくのだ。
 しかしこの事は、昔から観光集客に長けてきた一部の自治体を除き、殆どの観光産業及び自治体は気づいてはいない。相変わらず民間事業者は隣の店のプライスが気になるだけであり、自治体は自治体で日帰り客や市民県民をも混ぜたイベント参加人数のみを評価対象としている。つまり、来てもらって、滞在してもらって、街で消費してもらう迄のシナリオが、全く描けてないのである。
 こんな事だから、国内市場をどんどん海外へと売り飛ばすことによって、毎年毎年前年並みとんとんの売上を作ってきた大手旅行会社に、いまだ言いなり丸投げになるのである。政治力も無い。
 私は30年を超える観光業界の内側と外側の実務経験と、貯め込んできたデータも踏まえ、これらの傾向については逐一バックナンバーに、それも時には具体的数値やグラフも用いて証明してきた。だから、もうここでは繰り返さない。気になる向きは今一度バックナンバーをご覧いただければいい。
 これから私が描きたいのは、未来への可能性についてである。

2[現状]

 さて、21世紀に入ってすこぶる怪しくなってきたのは、何も観光業界だけではない。今や日本の貿易収支の赤字幅拡大を、辛うじて押し留めているのは自動車産業だけである。
 つまりモノづくり産業は、人件費の安い後進の国へと大きくシフトしつつあるのだ。
 おかげで国内雇用が、それも若年層や障がい者といった弱者雇用が大きく後退する事になった。その受け皿だった工場が、続々とその仕事を失ってきたからである。
 その原因は大別すると三つある。一つは人件費安を見込んだ生産拠点の海外移転。もう一つは海外メーカーとの競合敗退。そして今や大手企業の多くは、何も無理して国内工場を稼働させなくても、過去の上がりの収支移転で食える事だ。
 これは地域雇用の弱体化、即ち可処分所得を減少せしめ、人口流出を促進し、地域経済のみならず治安の不安定化すら齎す結果となっていく。
 こう見ると地域の雇用対策は、ごみ処理問題や議会改革などよりも優先されるべき政策になる筈である。地域ポテンシャルである観光産業を、物見遊山的不要不急産業から、地域経済の外貨獲得産業へと一大転換しなければならない、でなければ、残骸都市だらけになるのが時間の問題だからである。

3[方法]

 では、どうすればいいのだろう。遊園地でも誘致するのか、或いはカジノでも呼び込むか。
 しかし多くの場合それらに於ける消費行動はオールインワンである。地域経済への波及は限定的であり、多くの住民説得は難しい。ましてはそれが市外資本であれば、市が毎年費やす事になるランニングコストに見合うだけの税収面は伸びないだろう。
 本物の文化財が多く残る都市の場合、作りモノ世界であるレジャー産業との一線を画す意味に於いても、これを主軸に置かない手はない。それは自ずから想定される客層を選ぶ事になる。即ち当地の文化に、興味と愛着を持つ客層とのマッチングを図る事。そして相性のいい国や都市をマーケティングリサーチする事にある。これは量よりも質、安価な立ち寄り人数よりも高単価な滞在人数を増やす為である。他国籍八方美人型インバウンドは大都市圏に任せておけばいい。地方都市は専門店を目指せばいいのである。
 この点において、先ず、地域行政と民間事業者との間にある価値観の差を埋める必要がある。共通の目標だ。ただし民間事業者と言っても、それは飲食店やホテル、旅館だけに限ったものではない。例えば、奈良市駅前のさくら通り商店街のように、商店街が丸ごと土産物店のつもりでなければならない。この商店街については先月号の号外にも書き留めておいたが、たとえ内需が減ったとしても、インバウンドによる外需がそれを補完するモデルだと言えるからだ。
 こう書けば、有名観光地に在るから当たり前じゃないかと申されるかも知れない。ならば私は逆に質したい、なぜ伊勢の商店街がそうではないのかと。
 答えは簡単だ。新幹線停車駅から遠く離れた奈良は、それのある京都よりもハードルが高いと言えるが、それだけにこの地は、よりディープは顧客層に支えられていると言える。なにしろ移動にはそれなりのお金も時間も要する、単なる物見遊山客は京都見物だけで事足りる。つまり奈良を訪ねること自体が、目的と化しているのである。だから泊まるし、だから食べるし、だから買う。神宮偏重の伊勢にはこれが足りず、インバウンドにも消極的だったからである。
 しかし、物売りだけでは雇用促進にはつながらない。当然、製造も伴わなければならないし、新しいサービス産業の創出も不可欠である。それは株式会社○○市のサスティナブル事業としての、一種のショービジネス創出とも言える観光事業である。
 その主眼は二つ。一つは来てもらったお客さんへの『もてなし』、もう一つは『プロモーション』である。
 もちろんそれは継続性と、文化景観都市としてのその活用でなければならず、同時に文化観光の社会的地位の向上や、従事者のマイスター制度創出にも踏み込む必要があるだろう。
 何れも既に先進国では、半世紀も前から取り組んででいる事ばかりである。

4[もてなしとプロモーション]

 ただし、ここで言う『もてなし』とは施しや振る舞いの事ではない。サービス産業としてのもてなし、必要を満たす事である。例えばTDLのキャストは皆にこやかで親切だ。なぜならば、それが生計を立てるサービス職務として成立しているからで、その為のOJTカリキュラムもあるからだ。ただではない。
 では、○○市のサスティナブル事業として、サービス産業を創出するとしたらどういったものが相応しいか。有償ガイド、通訳、体験学習インストラクター、講師、そして、時代衣装をまとって街の景観を演出するキャスト等はどうか。総称もてなし事業である。バニーちゃんは駄目だ。
 また必要を満たす点に於いて、例えば、雪道にある道の駅は常に峠の状況に明るく、スノーチェーンも売店に無ければならないし、カメラを下げた街歩きのお客さんが増えてきたのならば、専門的アドバイスもできるDPE店も、市認定のマイスターとして必要であろう。
 その為には、食も含めた文化と、観光の意識統合が必要だ。霞ヶ関に倣った縦割りでなく、文化がモチーフにできる自治体では『文化観光協会』が必要であり、上記のような事業が推進できる官民協働組織が必要なのである。
 『プロモーション』も然りだ。世界へ向けた○○市の文化情報の、個々の手による発信(※)が必要である。インバウンドが来る所には、手を下さなくても東京人も来る、人通りが増えれば閉じられたシャッターも再び上がるだろう。
 今、プラスの連鎖を起こす準備を怠れば、残された次世代には、更なる苦労を強いる事になるのである。

(※) この点において、本シリーズは必ずしも上手くはいっていない。問い合わせが来るのは、海外の新聞社や投資会社ばかりである。その数は46に上る。

5補足[UNESCO無形文化遺産WASHOKU]

 そもそも無形文化遺産とは『芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、土地の歴史や生活風習などに密接に関わっているもののこと』だそうだ。
 2013年12/4、アゼルバイジャンのバクーで開かれたUNESCOの委員会で、『WASHOKU=日本人の伝統的食文化』が無形文化遺産に登録された。むろん個別の料理や食材が、ではない。
 日本政府はプレゼン用のパンフレットを作るにあたり、この和食文化について四つの特徴を挙げていた。

(1)多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用
(2)バランスよく、健康的な食生活
(3)自然の美しさの表現
(4)年中行事との関わり

(1)Various fresh ingredients and using their natural tastes
(2)Well-balanced and healthy diets
(3)Emphasis of the beauty of nature in the presentation
(4)Connecting to annual events

 すなわちこれが、農林水産のみならず、商工観光、歴史文化、地域行政に携わる者すべてが、これから必要最低限押さえておかなければならない文言である。インバウンドに訊ねられても答えられるようにだ。
 そして、今一度地元食材との整合性も見直し、世界に向けてプロモーションすべきでもある。
 けっして、京懐石が世界遺産になったのではない。
 
 なお、No.60『地域振興と観光産業のかかわりについて2013』正月号の【地域の格上げ】もご参照下さい。観光産業の基本的経済波及のプロセスに触れていますので。
http://ohmss700.blogspot.com/2012/12/no602013.html

【ベータ線による海洋汚染】The marine pollution by beta-ray

 12/29付の中日新聞朝刊を読むと、福島第一原発海側敷地の観測用井戸から採取された汚染水の、ベータ線の最大値が更新された事が分かる。扱いは政治面だ。
 だが、いま言論界は政府に軽減税率をお願いしている最中でもあり、あまりセンセーショナルに書き立てる事はできないようである。
 したがって、何処にあるのか分かりづらいベタ記事扱いの上に、年の瀬の、それも仕事納め後の小さな報道となる。
 それでも出さないよりはいい。もしも国際的な大ごとに発展した場合、『我紙は報じていました』と、後から胸が張れるアリバイにもなるからだ。
 さて、このベータ線を放つ放射性物質が、3.11以降の日本人ならば誰でも知る事になったセシウムによるものではない事は、過去の記事を参照してみても明らかである。セシウムはベータ線を殆ど出さないからだ。注意深く過去記事を顧みると、ここで浮かぶ汚染物質はストロンチウムや三重水素という事になる。
 この点につき報道機関は、詳しい解説を入れ、ただ単に事実を伝えるだけでなく、読者の理解を促すよう書くべきではないだろうか。
 何の為に?
 もちろん次世代日本人と、環太平洋人の未来に影を落とさない為にである。
 なにしろ1リットル( 0.264172052 Gallon )あたり210万ベクレルのベータ線を、実効線量を示すシーベルトに換算すると、体内に取り込んだ場合58.8ミリシーベルトの被曝になるのだから。

2100000Bq/Liter × Coefficient of oral ingestion 0.000028mSv/Bq=58.8mSv/day ×30days=1764mSv/month

 これは30日で1764ミリシーベルトに達する脅威の数値であり、マイクロシーベルトに換算すると×1000で176万4000マイクロシーベルトとなる。この汚染水が地下水を通じ、刻々太平洋へと流れ出ているのだ。どうりで外務省経済局が『諸外国の輸出入等関連措置』の公表を7/1付いらい凍結している筈である。

 ところで読売新聞によると、この水の採取は検出前日の12/26だったそうである。ベータ線計測も、ずいぶん素早くできるようになったものだ。
 ならば是非とも生鮮食料品計測にも応用し、ベータ線汚染の有無についても白黒つけて、広く世界を安心させもらいたいものである。

【農水省 諸外国・地域の規制措置12/12】 Import control measures of Foreign countries and local, December 12

 自国を客観視する為にも情報の共有は必要だ。以下は日本の農水省が暮れも押し迫った12/12に、例によってこっそり更新していた【諸外国・地域の規制措置】である。どうやらトリチウム(12.3年)やストロンチウム90(29.1年)等が放つベータ線汚染が取り沙汰された9月以降、規制措置解除の動きは止まったようである。
 東京五輪2020を成功させる為に採るべき方法は二つに一つ。一つは世界の知見を集めて、フクシマ放射線源を一刻も早く遮断する事。もう一つは徹底して秘密にする事である。
 なお、外務省経済局の『諸外国・輸出入等関連措置』は7/1付以来、水産庁の方も10/10付以来まだ更新がない。

①日本のすべての又は一部の食品につき輸入停止/他の食品につき証明書を要求

韓国(停止対象県:福島、群馬、栃木、茨城、宮城、千葉、神奈川、岩手、長野、埼玉、青森、山梨、静岡の指定産品)
中国(停止対象県:宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の全ての食品・飼料)
ブルネイ(停止対象県:福島の指定産品)
ニューカレドニア(停止対象県:宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、山梨、長野の全ての食品・飼料)
レバノン(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川の出荷制限品目)

②日本のすべての食品につき証明書を要求

インドネシア、タイ、アルゼンチン、仏領ポリネシア、アラブ首長国連邦、イラク、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、エジプト、コンゴ共和国、モロッコ

③日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求

シンガポール(停止対象県:福島の指定産品)
香港(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の指定産品)
マカオ(停止対象県:福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の指定産品)
台湾(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の全ての食品)
フィリピン(停止対象県:福島の指定水産品)
米国(停止対象県:青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、静岡の出荷制限品目)
ロシア(停止対象県:青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、千葉、新潟の水産品、水産加工品)
ボリビア、ブラジル、EUは停止は無し

④検査強化

インド、ネパール、パキスタン、豪州、ウクライナ、イスラエル、イラン、モーリシャス

新春書初め【フィルムコミッション案007 2014】
The writing of the New Year, [Film Commission proposed 007, 2014]

[目的]
 
タイのプーケット島は、1973年にこの映画の撮影隊が入るまでは誰も知らない島でした。それが今はジェームズ・ボンド・アイランドとして有名な観光地です。また、セントソフィア寺院、イグアスの滝、熊野那智大社、メテオラ山、水の都ベニス、タージマハルといった世界遺産も、この映画の舞台に選ばれる事で更なる集客アップを果たしています。そして、新シリーズ三作目にして50周年アニバーサリーを飾った『スカイフォール』では、世界遺産候補である長崎の軍艦島が敵のアジトとして登場してもいました。(ただし設定上はマカオ沖なのでリアル集客はあまり無いかも知れません。シリーズ第10作目に於ける沖縄の海中ロケの時もそうでしたが、地名が出なければ実りはないのです。)
恒久的な観光産業の活性化と持続的な雇用環境の改善。それには国内外から来る訪問者の底上げが欠かせませんが、三重県はもっと知名度を高める必要があります。さいわい三重には、007の原作者であるイアン・フレミングが、来て見て、聞いた通りに作品中に書き留めたコンテンツが、まだそっくりそのまま残されているおかげで、これがそのまま国際フィルムコミッション・コンテンツになります。本企画の目的は、単に映画撮影隊の誘致のみならず、次世代の興味喚起と、三重を内外に知っていただく為の機会を得る事にあります。

[内容]

海外ロケ隊の誘致。近年、英国の007シリーズのリメイクがスタートし、イアン・フレミングの原作第1作『カジノロワイヤル』の再映画化に、続編『慰めの報酬』を経て、過去の映画版シリーズ第一作の頭につながる『スカイフォール』が製作されましたが、こうなると日本が舞台となる『007号は二度死ぬ』(早川書房 絶版)も、まだ1966年-67 年に一度映画化されたきりである以上、リメイクの可能性が極めて高いと言えます。
ご存知のように当時の映画版は、原作者の詳細な取材旅行に基づいた三重県コンテンツである伊勢湾交通、鳥羽の旅館、伊勢海老の活け造り、御木本幸吉の像、 真珠、外宮、和田金牧場における松阪牛の肥育のくだり、伊賀と甲賀忍者と城、芭蕉の句が全てカットされてしまっています。
これは、製作者と監督がチャーターヘリで日本の海岸線をくまなくロケハンしたものの、とうとう原作にあるスペクターのアジトである海に囲まれた城 (鳥羽城)が見つからなかった為に、やむなくアジトを火山の噴火口に改変、同時に大幅なストーリーの変更が行われた為です。
本案はリメイクにおけるロケ隊の誘致と、現代的にアレンジされつつも原作内外の三重県コンテンツをカメラに収めてもらう事により、国際的な興行力をもってプーケットの事例のような恒久的なインバウンド集客コンテンツせしめ、世界を相手とした三重の観光産業の活性化と、持続的な雇用環境の飛躍を意図するものです。

[背景]

①2013年11月。ダンジャック・プロダクションは永年の懸案であった、イアン・フレミングの原作にあるテロ組織スペクターと宿敵ブロフェルドの使用権を、発案者ケヴィン・マクローリーの遺産管理団体から収得。再登場が可能になった。
②クールジャパン輸出政策により、海外におけるジャパンコンテンツへの関心が格段に向上している。
③我が国における海外からの映画のロケ隊来日は年に1度あるかないかの状況。ロケハン後、昭和41年7月29日から9月13日まで滞在したロケ隊は、秋目、 霧島、神戸港、姫路城、那智大社、蔵前国技館、ホテルニューオータニ他をまわり、内外200人もの報道陣を引き連れていたとの記録あり。

[テーマ]

三重県経済も、
You Only Live Twice:
Once when you are born
And once when you look death in the face.

After BASHO(Japanese poet 1643-94)

[競合状況]

①海外

欧米市場からみるとオリエンタリズムの点でアジア各国と競合。ただし中華圏は既に前作で使用。

②国内

長崎県 前作『スカイフォール』で軍艦島のロケ実現。ただし地名は出ず。
香川県 直島にてレイモンド・ベンソン版007『赤い刺青の男』(早川書房 絶版)の記念館創設の上でロケ誘致活動。

[独自性]

三重県は、海、山、城、文化、世界遺産、食文化とコンテンツ豊富。

[優位性]

日本の真ん中。紀伊半島は関西国際空港と中部国際空港とのアクセス至便。

[将来展望]

国際観光都市への脱皮。商品タイアップや記念館等、二次的利用も見込める。

[市場]

映画公開国と国内。

[準備]

①ダンジャックプロへの情報発信。
②紀伊半島文化東西導線の確立。
③官民合同で受け入れ態勢づくり。(通訳、通行規制、宿舎手配、エキストラ手配)
④海外メディアへの情報リリース。

[課題]

①自治体首長によるトップセールス
②英国には自国産業の保護政策により、海外スタジオの使用はない。
③費用対効果の算出システムの構築。
④観光庁のスクリーンツーリズムは継続中か。中・韓 、台湾、香港だけでなく欧米圏も対象とはならないのか。

【奈良県と本居宣長さん】Relationship Motoori Norinaga and Nara
 -2009年5月30日 本居宣長記念館 吉田館長-

 江戸時代の国学者本居宣長は、今の松阪市に生まれ、そこで医者をしながら日本の古典を研究し、72年の生涯を過ごしました。宣長の生涯は、『古事記』研究のために捧げられたといっても過言ではありません。
 『古事記』を解読しようとするならまず『万葉集』を読みなさいと、加茂真淵先生は宣長に教えました。
 先生の教えを忠実に守り、『万葉集』の舞台となった奈良のことを詳しく調べ、また実際に歩いて略地図やスケッチなども残しています。
 このように奈良に深い関心を寄せた本居宣長です。生涯のどこをさぐっても「奈良」との関わりが出てきますが、ここでは7つの話題を紹介しましょう。

[奈良と本居宣長]
 本居宣長は吉野山にある吉野水分神社の申し子です。

[日本一の景色]
 28歳の宣長は、奈良の町を歩き、人馴れした鹿に興味を示し、猿沢の池の付近の景色はなるほど日本一の景色だと感動しています。

[長谷寺で開帳]
 『源氏物語』や『枕草子』など、しばしば古典文学の舞台となった大和国長谷寺。宣長が最初にこの寺にしたのは13歳の時。
 それから15年、宝暦7年10月4日、京都からの帰途、宣長は美輪明神を経て再び長谷寺に参詣しました。この時の参詣は、同行者に伯父・村田清兵衛がいたこともあり、7両(今のお金ではなんと70万!)を納めて特別開帳をしてもらいました。
 長谷寺観音堂には、松阪の豪商小津家が寄進した大香炉が今もあります。松阪商人たちにとって長谷寺は特別なお寺でした。

[吉野・明日香徹底探索]
 43歳の宣長は吉野山から飛鳥を隈無く歩き『菅笠日記』を書きました。
 高松塚古墳や酒船石、飛鳥寺の大仏などいきいきとした描写で紹介し、以後この日記は飛鳥・吉野を歩く人たちのガイドブックとなりました。
 『季刊 明日香風』の最新号でも「本居宣長の見た飛鳥」という特集を組んでいます。

[宣長といえば古事記]
 712年に出来た『古事記』は、日本人の心を知るためにもっとも尊い本であるとして、35年の歳月をかけて『古事記伝』44巻を書きました。これによって『古事記』の評価は一変しました。
 太安万侶の墓誌が見つかったことを知ったらどんなに喜んだ事でしょう。

[高見峠の宣長歌碑]
 宣長にとっての心のふるさと「吉野山」へ、また松阪を支配した紀州徳川家の城下町和歌山への最短コース高見越え。現在高見峠の上には、65歳の宣長がこの峠を越えた感慨を詠んだ歌が大きな歌碑となっています。

[奈良の地図]
 研究に、また旅行にと奈良は宣長にとって特別な場所でした。
 記念館には宣長が写したり、また実際に使用していた奈良のガイドブック『旅日記』、おびただしい書き入れのある『万葉集』や『古事記』が収蔵されています。遷都1300年祭の2010年には、一年を通して宣長と奈良の深~い関わりを示す地図や書籍、矢立などを順次公開します。
 奈良と宣長の関わりや、また展示については記念館のホームページをご覧ください。

http://www.norinagakinenkan.com/

【ESD】Education for Sustainable Development 

 11/10から名古屋の国際会議場で、『ESDに関するユネスコ世界会議』が開催される。そこで愛知県は昨夏、『ESDユネスコ世界会議』の認知度調査を行った。
 結果は5%。今冬行われた中日新聞の街頭アンケートに至っては50分の0である。
 ESDとは持続可能な開発の為の教育という意味で、環境汚染や人口増大、資源枯渇といった、人類や地球の存続を脅かす課題を解決できる人を育てるのがテーマだ。つまり、ローカリズムやナショナリズムを超越した客観性を持つ人を育てようという事である。
 だが、国連活動に関する広報は、お世辞にも行き届いているとは言い難い。自らがネット等で求めない限り情報を得る機会も極めて限られる。かく言う私も、1/19に松阪ユネスコが開催する『松阪ええとこウォーク』の最初の打ち合わせまでは、同年同月に奈良で開催される国連観光統計の国際会議しか知らなかった。
 広報予算が足りないのだろうか。
 年末の報道によると、各国の厳しい財政状況を反映し、国連の2014年の通常予算は前期比0.6%減少の55億3000万ドル(約5800億円)。職員ポストを219削減し、人件費を減少させるともある。かと思えば、国連部隊の活動費5億9700万ドル(約626.1億円)は承認されている(と言っても、2014年度の防衛省の概算要求4兆8848億円の実に78分の1に過ぎない額ではあるのだが)。
 ESDの理念は人を人足らしめる点で非常に重要である。動物にはできない。
 それ故に、現在世界中に蔓延している市場経済や格差社会、国政や地方政治とは対極をなすテーマのようにも映るのである。
 
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O.H.M.S.S. (Ohuda,Higashi-kishu,Matsusaka-area,Sightseeing Support )
Shigeki  Imura

"About the involvement of the tourism industry with regional development"
https://ohmss700.blogspot.jp/?m=1


№73 "About the involvement of the tourism industry and regional development" February Issue 2014.0201 

【年末年始の松阪市営駐車場2014】Matsusaka Municipal parking lot of year-end and New Year holidays 2014

12/31(火) 13:00 75台 前年比104.3%
 三重ナンバー69台、名古屋3台、広島、鈴鹿、福岡、各1台

1/1 (水) 12:00 84台 前年比72.4%
 三重ナンバー73台、相模2台、横浜、鈴鹿、神戸、尾張小牧、岐阜、大阪、奈良、足立、各1台

1/2 (木) 12:00 87台 前年比100% (バス予約シティH)
 三重ナンバー73台、大阪3台、奈良2台、宮崎、一宮、横浜、群馬、鈴鹿、なにわ、神戸、多摩、名古屋、各1台

1/3 (金) 12:00 131台 前年比136% (少年野球)
 三重ナンバー107台、鈴鹿3台、沼津3台、名古屋3台、松本2台、大阪2台、所沢、姫路、奈良、岐阜、神戸、相模、滋賀、広島、尾張小牧、和泉、神戸、多摩、各1台

 年末年始四日間の中食時。市営駐車場における県外ナンバー比率は、三重ナンバー322台:県外55台で17.08%(前年比-0.7)、全体に占める割合も僅か14.59%で、前年の15.09%と殆ど変わらない。もちろん満車日も無い。

【地方分権の象徴の勝ち】"Symbol of power decentralization" winner

 1/4、三重県警による伊勢神宮三が日の入り込み数が発表された。内宮+外宮で61万3787人との事である。
 これは、前年比で10.2%の増加とはいうものの、2004年や2009年、2010年を下回るもので、76万人を数えた2001年の八割程度に過ぎない。
 80万人との強気の予測も年末には出ていた。天気も良かった。ところが目立った渋滞は起きず、年末年始の宿泊状況も予約段階から芳しくなかった(なにしろ鳥羽の某大手ホテルにおいても、大晦日ぎりぎりまで空室があったぐらいだ)。
 なぜだろうか。
 中日新聞は分散化したのではないかと希望的観測を書く。だが、それでは出雲大社の入り込み増加は説明できない。山陰中央新報によると、1/2現在の報道で、既に前年比10万人増の45.5万人をマークしている(※)。
 どうやら、平成の大遷宮(遷座祭)を終えて六年ぶりに参拝出来るようになった事が、主に関西圏からの大きなセールスポイントになったようだ。
 つまり内宮+外宮の重複カウントで1400万人超との幻想が招いた、奢りによる無策が招いた結果なのである。なぜならば、国内旅行のパイが限られているからだ。

 なお、観光経済マーケティング上、統計における重複カウントは校正が必要だ。片参り客の二者択一が、外宮よりも内宮を200%の確率で選択する以上、内宮の三が日41万1192人こそが本当の来訪者数と見るべきである。
 平たく言えば、例の外国人嫌いの作る赤い餅を、両宮前で買う人は稀だからだ。
 ちなみに内宮三が日の前年対比は6.9%の増加。たった2.65万人しか増えなかったのである。

(※)1/7付の山陰中央新報によると、出雲大社の三が日の入り込み数は元日が33万人、2日と3日が各22万人で77万人との事。

【伊勢市の意見公募】Ise seeking public comment

 伊勢市が意見を公募するそうだ。式年遷宮後の新たな観光施策に関してである。計画案によると今年2014年は1300万人、2015年は1000万人が目標だそうだ。2017年は800万人でいいそうである。
 この右かた下りの目標は、常に神宮集客おんぶに抱っこの表れだ。が、いずれにせよ、その目標の到達は簡単な事である。なにしろこの國は団子(外貨獲得)よりも花(面子)を尊ぶ國だ。昨年の遷宮における年間1420万人も、内宮+外宮で同じ人間が重複カウントされてきた。ならばこれからは、過去三年間平均で年185万人超はかたい興玉神社や、周辺神社の参詣数もカウントに加えればいいだけの事である。これで、一人のお客さんが二人にも三人にも化けるのだから。
 だが、これがけしからんと申されるのであれば、伊勢市は神宮集客偏重を改め、市内広域デザインを描くべきである。事実、昭和時代の遷宮アフターには五回もの博覧会があり、前回の遷宮アフター年である1994年では、世界祝祭博とスペイン村のオープンで、遷宮イヤーの前年を大きく上回る県内観光客入り込み数を記録している。
 それに根本的な問題として、そもそも神聖な参詣者を観光客扱いする事については、国際観光統計上も疑問がある。この事は観光シンポジウム三重の場で、観光庁も異論がある事を認めている(私は直接質した)。
 必要なのは発想の転換だ。外国語版の案内パンフレットではない。インバウンドが欲しいのならば、河崎商人館をはじめ、伊勢の現在過去未来の歴史や街道文化にも、もっと集客を託せるだけの施策を用意すべきである。そして何よりも、先ず世界に認めてもらう事を第一に考えるべきである。コンテンツとツールは既にあるのだから。
 なお、海外との接点を求めるのならば、こんなのもある。

第10章 高等科

 タイガーとボンドは、神宮最大の神殿である有名な伊勢の外宮の参道の巨大な杉のかげに立って、写真機をぶら下げた参詣人をながめていた。タイガーがいう。「もういいだろう。あの連中と連中の動作はよく見たはずだ。太陽の女神に祈りをあげていたんだよ。行って、人の注意を引かないようにお詣りしてくるんだ」
 ボンドは掃き清められた道を行き、大きな木の鳥居をくぐって神殿の前の人ごみに加わった。はでな赤い着物に黒の冠をかぶったふたりの神官が見守っている。ボンドは神殿に一礼し、賽銭を受けるようにできている金網の上に小銭を投げ、音高く手をたたいて頭を祈るように垂れ、また手をたたいて一礼して退散してきた。(イアン・フレミング著 井上一夫訳 早川書房刊『007号は二度死ぬ』より)

10 ADVANCED STUDIES

TIGER and Bond stood in the shade of the avenue of giant cryptomerias and observed the pilgrims,slung with cameras, who were visiting the famous Outer Shrine of Ise, the greatest temple to the creed of Shintoism. TIGER said, "All right. You have observed theses people and their actions. They have been saying prayers to the sun goddess. Go and say a prayer without drawing attention to yourself".
Bond walked over the raked path and through the great wooden archway and joined the throng in front of the shrine. Tow priests, bizarre in their red kimonos and black helmets, were watching. Bond bowed towards the shrine, tossed a coin on to the wire-netting designed to catch the offerings, clapped his hands loudly, bent his head in an attitude of prayer, clapped his hands again, bowed and walked out. (From CORONET BOOKS Ian Fleming's "You Only Live Twice")

【脱亜入欧】Datsua-nyuo

 昨年秋に見た奈良公園周辺は、隣県三重における遷宮の為に邦人団体の姿が殆どなかった。が、それだけに、いつにも増してインバウンドの姿が目立っていた。国際文化観光都市の強みである。
 さて、日本はようやく2013年になって、一里塚であったインバウンドの1000万人超えを果たす事はできた。しかし、まだまだ分母が足りるとは言えない。仮に47ある都道府県で均等割りしたとしたら、たったの21.3万人しかあたらない。とうぶん自助努力が必要なのに変わりはないのである。
 そんな中で伊勢市は国際観光都市を目指すときく。おそらくこれは、地デジの駆け込み需要で市場が枯渇したテレビ業界同様、投資の活用に危機感を抱いての事なのだろう。だが、それにしても今年2014年の集客目標が年間1300万人とは些かオーバーだ。インバウンドに過度の期待を抱いているのではないだろうか。
 確かに成長著しいとされるアジア圏だが、調べてみると五カ年平均で僅か約217万人/年しか日本に来ていない事が分かる。これは、昨年春に分けてもらいに行ってきた国連観光機関の資料から、成長著しいアジア諸国(台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、香港、インドネシア)から日本へと来訪した、5年間(2007年から2011年)のインバウンド数を全部足して5で割ったものだ。
 実はこんなに小さかったのである。
 勿論これらの国々に中・韓も加えれば、538.5万人/年と倍以上の市場にはなる。だが、外交問題があるこれらの国とは、観光コンテンツがあまりにも日本的故にマッチングが問題となる。
 こうなると、全く違う文化圏にある欧米諸国およびロシアの方が、ストレートにエキゾチズムをセールスポイントに置ける点からみて、まだ有効だと言える。GNIの高い国も多い。
 ただし大きな問題がある。セントレアのアジア、太平洋以外のエアラインは、国際線全体の僅か7.2%しかない事である。

[中部国際空港2014年1月]

北京 週19   香港 週28     マニラ 週14
上海 週42   台北 週25    バンコク 週14
長春 週 2   仁川 週39     ハノイ 週 7
瀋陽 週 2   金浦 週 7   ホーチミン 週 3
天津 週 7   釜山 週 7  シンガポール 週 7
大連 週 7   済州 週 3
青島 週 7          フランクフルト 週 7
西安 週 7            ヘルシンキ 週 4
成都 週 7 ホノルル 週14    アブダビ 週 5
広州 週 7  グアム 週21   デトロイト 週 7

【強い国ニッポン】Strong country Japan

 首相は年頭の挨拶で、強い国ニッポンをスローガンとして掲げていた。経済力と軍事力の事らしい。この事は国家安全保障局の新設や、防衛計画を見ても明らかである。5年間24兆6700億日本円は尋常ではない。
 振り返れば戦後ニッポンは、もっばら前者のみに全力を傾倒してきた。戦争を放棄し、モノづくりに邁進する事で復興と経済成長を遂げ、その結果としてジャパンブランドの評価も得てきた。その原動力は、はったりやリップサービスなどではなく、庶民のリアルな力の結集だった。
 しかし経済成長の道は、常に後進国にも開かれている。いつまでも後輩と同じ物を作り続ける訳にはいかない。国力の源は社会の発展度合いに応じ、進化しなければならないのである。 
 例えば文化力。食も含めた文化の保全と公開そして伝承。それも『自国満足』ではなく、世界中に価値を認めてもらう事がファンを増やして大きな外交上の力となり、インバウンドを迎える事が地域経済の力にもなる。この事は、もはや欧米先進諸国の例を挙げるまでもない。外国人旅行者による経済効果が自動車産業に負けじ劣らぬ事も、既に昨年夏のNHKスペシャルで紹介されている。
 つまりこれからの日本は、文化力で強さを主張すべきなのである。
 にもかかわらず、我が国では未だ文化活用や観光産業は不要不急扱いだ。この分野が最も遅れている。プロモーション予算も少ない。だから、やっと稼いだ年間インバウンド数1000万人超えも、後進だった筈の韓国の1200万人超えに、あっさり追い抜かれるのである。たとえその半分の数が、国際ハブ空港内におけるトランジットであったとしてもである。

【トランジット】Transit

 ただ、このトランジット数を自国のインバウンドとして数える事は、国際ハブ空港が有るか無いかで大きく左右されるので、統計上フェアだとは言い難い。
 例えば英国人が仁川国際空港経由で日本旅行に来た場合、乗り継いだ韓国でもインバウンドとしてカウントされている。これは同空港の乗り継ぎ客を72時間ビザ免除とする同国の制度が功を奏しているからだ。が、一方ではロシアのロスツーリズムのように、極めて厳密な観光客数を算出している国もある。
 統計は国際評価につながる。それだけに、公平かつ整合性がとれる校正が必要だ。
 ちょうど今年はOECDの観光統計グローバルフォーラムが、国連観光機関のあるニッポンのナラで開催される。問題提起にはいい機会である。

【弱い国ニッポン】Weak country Japan

 なにしろホームエレクトロニクス産業は後進国に追い越され、生鮮食料品も汚染で疑問視されているのだから仕方がない。日本の財務省が14日に発表した昨年11月の経常収支は、同月としては過去最大の▲5928億円との事である。
 ご存知のように経常収支は、貿易収支とサービス収支、移転収支と所得収支で構成されている。過去にはサービス収支を引き合いにした報道もあったが、今回は黒字幅の大きい所得収支9002億円を引き合いに出し、それでも相殺できなかったは円安によるエネルギーコストの上昇と、航空機輸入が増えた為だとしている。
 だが、理由はどうあれ貿易赤字▲1兆2543億円は巨額だし、もう連続20ヶ月にもなる。やはり自動車産業とペットボトルの原料だけが主力では、豊かな内部留保を背景にした利息と配当である所得収支をもってしても、収支全体の黒字化は無理なようである。
 だが、だからといって原発再稼働待望論へのすり替え早計だ。まだ、我が国には、唯一の発展途上産業であるインバウンド産業が殆ど手付かずで残されている。その外貨獲得ポテンシャルは100億単位、直接的あるいは間接的な雇用創出も幅広い。
 にもかかわらず、当月のサービス収支(旅客や輸送、ソフト)も▲1100億円との事。これは、たかだかインバウンド1000万人ごときでは、まだまだ外貨獲得の柱としては弱いという事である。
 国連の統計によると、旅行目的地順位の1位は仏国の8140万人で、2位は米国の6270万人。40位の日本は(2013年1月現在)国際観光収入も年132億USドル(1億2816万円/1ドル≒103円)にすぎない。ちなみに米国はその8.8倍、仏国は4.1倍、中国も3.7倍ある。

【出入国較差2013(2)】Emigration and immigration the difference in the number, 2013

 1/17。JNTO公表の昨年一年間のイン/アウトバウンドの数字(暫定値)が出揃った。
 政府は5年がかりの1000万人超えを自賛しているようだが、そのインバウンド(訪日外客)1036万3900人は、実はアウトバウンド(海外旅行)1747万3000人の6割に足りない。
 これにより、国内マーケットと日本円流出の方が圧倒的に多い事が分かる。
 だが、日本のメジャー新聞はこの相関を絶対に伝えない。それは、電力会社の広告よりも遥かに多い海外旅行の全面ぶち抜き広告が、折込広告も含めてゼロになったら大事だからだ。地方空港のアイデンティティも立つ。
 しかし、この出入国較差がサービス収支の伸びに歯止めを掛け、とりわけ地方が渇望する旅行マーケットの減少に加担している事も事実である。つまり送客人数以上の集客人数、邦貨流出以上の外貨獲得が必要なのだ。この点、我が国は海外旅行を外貨獲得の為の貿易とみるアジア各国を、もっと見倣うべきである。上海万博のあった2010年の日本からの中国行きは373万人。これに対し、その逆は141万人しかなかった。韓国も、どの国からは何万人と、毎年明確な目標を掲げている。
 私は過日の観光シンポジウムで、公の席上、2008年に掲げられた観光庁発足当時の目標設定の根拠を質した事がある。だが、その答えはマーケティング理論や交通経済学に則ったものではなく、1、2、3、4、5の単なる数字合わせだった。すなわち、1はインバウンド1000万人、2はアウトバウンド2000万人、3は国内観光消費30兆円、4は国内宿泊4泊、5は国際会議5割増し、だったのである(録音あり)。
January 17. JNTO announced. Number of inbound / outbound of last year (provisional value). finalized 12 months now.
Japanese government boasts that more than 10 million people were inbound.
Five years, the situation did not allow it.
However in practice, 10363900 inbound is not enough 60% of the 17473000 outbound.
In other words, excessive outflow of  the Japanese yen and peoples is still large.
It's so for a long time. but absolutely, major Japanese newspapers not write this correlation.
Perhaps, advertising revenue of the leading travel agency because particularly large. it is much greater than the power company. can't be to zero.
Honor of regional airports is also maintained. even if it's baggage.
However the differentials will be a negative effect on the "Balance on services". and, reduction of the travel market has a negative impact on the local economy.
In other words, unfair trade.
This is to be learned from China and South Korea. 2010 the "Shanghai Expo". China, attracted the Japanese of 3.73 million. nevertheless, the Reverse was 1.41 million people. And also South Korea, every year to set clear goals of customers, from various countries.
Asked the Tourism Authority, I, at the symposium. that's basic policy for the target setting of the Tourism Agency. in the hearing. but the answer, didn't conform to the transport economy and marketing theory.
That answer was a series of numbers, 1, 2, 3, 4, 5. In other words, 1 is 10 million people inbound. 2 is 20 million people outbound. 3 is domestic tourism consumption 30 trillion yen. 4 is domestic accommodation 4 nights. 5 is increase 50% the international conference.
There is no Rationale there. I couldn't believe my ears. (There is also a voice recording.)

【RDF】 RDF (1/25の夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie, January 25 posts)

 家庭から出た可燃ゴミを固形燃料化したRDFは、ごみ体積も五分の一となり、新しい熱源としても有望だった。
 だが燃料としての売価は、だぶつきと品質の不揃いで低迷し、遂には売れずに引き取ってもらうのにも、逆にお金がかかようになってしまった。埼玉では不法投棄の事例、10年前には桑名で貯蔵サイロの爆発死亡事故もあった。
 RDF燃料は、作れば作る程コストがかかり、もはや一般的なゴミ焼却よりも倍以上高くつく、前世紀の遺物である。
 松阪市の市長さんは、4市町で構成するごみ連合から脱退した場合のコスト試算を示した。民間委託とした場合、6年間で6億から10億も浮くそうだ。
 しかし連合の中には、県との約束だから脱退には応ぜずの町もある。
 おかしな話だ。知ってか知らずか、まがい物を奨めたのは県である。にもかかわらず県は頬被りを決め込んでいる。忠義を果たす前提は壊れているのではないか。
 余る10億を、4市町の先月現在の人口で割ってみた。松阪市16万6764人+多気町1万5114人+大紀町9292人+大台町9963人で20万1133人。
 これを10億円で割ると、1人あたり6年間で4971.8円。つまり、年間828.6円の無駄負担となる。これは有償ゴミ袋代を遥かに凌ぐ金額だ。市町民はこの問題にもっと関心を持つべきである。

【温泉複合リゾート】Hot spring resort complex (1/31夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie, January 31 posts)

 温泉も含め、特に日本人は大きなお風呂屋さんが好きだ。松阪にも市内と近辺に七つの大型温浴施設がある。
 これが人口17万人弱の都市にとって多いか少ないか、それは、2009年の6月末に伊勢で最初の大型温浴施設が開業した途端、4割近いシェア減少に見舞われた事と、一気に低価格化が進んだ事を思い返せばお分かりいただけるであろう。
 そこにまた新たな温泉複合リゾートが、勢和多気ICの近くに2年後に建設されるという。報道によると併設される飲食店街には、和、伊、仏など6分野の飲食店が出店し、三重大医学部と共同開発した薬膳料理を目玉にするそうだ。という事は、当世流行りの産官学連携事業なのだろうか(まさか燃料はRDF併用ではあるまいな)。
 だがもしそうならば、それは既存の民業を圧迫するお先棒を担ぐ事になりはしないだろうか。
 何故ならば、観光集客とはいうものの、最も近い商圏が松阪市である事に疑問を挟む余地がないからである。

【飛鳥Ⅱ】Asuka Ⅱ

 豪華客船クルーズが人気だ。年明け早々松阪市へも、飛鳥Ⅱのパッセンジャーが9日と10日の連日に渡り、松阪の歴史文化に触れる散策に訪れた。
 この船は四日市に入港したもので、初日の65名は近鉄で、二日目の68名は(車椅子の方もいる為か)チャーターバスで直接来松、いずれも先ず市内の割烹旅館で松阪ブランドの食文化を堪能した後、徒歩で史跡散策へと出かける行程だ。
 ウォークコースは原田二郎邸から御城番屋敷を抜けて松坂城址へ。所要時間は60分強である。
 だがエクスプローラーにはハプニングがつきものだ。ご多分に漏れず初日については予期せぬ突然の大雨で、一足早く御城番まで辿り着いていた方々が原田邸に引き返した為に、後発の方々共々ここを超満員にしたり、休館日だった松阪木綿センターに心を残す方もいた。また二日目は寒波到来の為に三分の一ほどが外出を控え、バスによる到着の遅れから散策時間が足りず本居宣長記念館まで足を伸ばせないと言う方もいた。
 しかしながら、これらはよくある些細な事のようだ。首都圏に住むパッセンジャー達にとっては、この町の風情そのものが新鮮だそうである。高級カメラを手にした方々も満足げだ。みなさん笑顔で離松していった。
 なお、今回は添乗員とは別に、クルーズの企画担当の方と販促の方も別ルートで来松していたので、次回企画の目玉として『城郭めぐり』(鳥羽、松阪、伊賀の三城めぐり)の御提案をさせていただいた。実施期間の延長が決まったからである。

【なら奈良レポート2014.0123】Report a precedent of Nara 2014.0123

 遷宮効果は三重県全域に及んではいない。名阪上野ドライブインもそうだった。関ドライブインと同じ名阪国道に在ってもである。
 新名神開通以来、ここは観光バス動線から外れてしまっている。支配人によると、多くの観光バスは時間が読めないとの理由で新名神を使うとの事。渋滞はどちらでも起きる時は起きる。結果は同じだ。
 打開策は、忍者パックによるインバウンドや、芭蕉さんをモチーフにしたハイキング客の立ち寄り等、地域コンテンツとの積極的なタイアップしかない。受動的商売の時代ではないという事である。
 また、富裕層インバウンドと、ビザ緩和によって増加した庶民層インバウンドとの、マナーや消費行動の違いについて貴重なお話しも戴いた。訪問者が増えるとゴミも増えるが、それ以上に地域経済が潤わなければ、地元の協力なぞ得られないという事である。

 興味深い話で時を忘れた。今回の奈良行きは、三重県側のパンフレットの補充と新年のご挨拶だ。だが、奈良市観光協会に入ったのは正午過ぎ。事業部長と専務理事も昼休みで出掛けた後だった。
 私達も商店街ウオッチも兼ね、そうする事にした。いつも近鉄奈良駅と周辺の商店街は人通りが絶えない。狭い道幅が幸いしているのだ。
 食事を済ませて再び観光協会へ戻ると事業部長と専務理事に新年のご挨拶。通い始めてもう6年目に突入である。
 残念ながらキャラバン事業は今は行ってはいない。だが、それによる集客効果はよくご存知の方々でもある。興味の喚起が無ければ、旅行に行く気なぞ起こり得ない。私達は松阪の夏の夜祭りへのPR参加を促した。秋集客の結果は必ず出るからである。
 平城京歴史館に着いたのは14時前。初めての正月開館は大成功だったようだ。詳細データがそれを物語る。やはり『帰省市場』は確実に存在したのだ。県外へと広報すれば、もっと来る(今回は広報紙のみ)事も間違いないだろう。
 奈良県ビジターズビューローでは会議室にてHappy New Year。一階の観光案内所に置かれた私共のパンフレットコーナーには、ただもう感激の一語に尽きる。経済圏が違う為に、隣県ではあっても情報疎通が少ない両県の垣根が、また少し下がったからである。
 このあと私達は国連観光機関に寄ると、初春の古都を後にした。
 なお、今年は11月17-18日に、OECDとEU統計局、そして観光庁による第13回観光統計グローバルフォーラムが開催される。会場は奈良県新公会堂だ。
 また、20日には東大寺総合文化センターで、観光庁と国連世界観光機関による、基調講演とパネルディスカッションも予定されている。

【城郭めぐりの継続】Continuation of the castle tour

 好評につき、鳥羽市、松阪市、伊賀市の『城郭めぐり』スタンプラリーの、開催期間の延長が決まりました。締切は2014年の12月末迄となります。
 まだ一城や二城までしか制覇できていない推定2120名様、どうぞこの機会をお見逃しなく。現在、三城コンプリートの記念品贈呈者は265名様となっています。

 なお、『城郭めぐり』の企画書はNo.54『地域振興と観光産業のかかわりついて2012』 7月号に在ります。
http://ohmss700.blogspot.com/2012/11/20127.html

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O.H.M.S.S.
(大宇陀・東紀州・松阪圏・サイトシーイング・サポート)代表 井村茂樹
ohmss700@gmail.com

『地域振興と観光産業のかかわりについて』
バックナンバーhttp://ohmss700.blogspot.jp/?m=1
インデックス http://m.blogs.yahoo.co.jp/imurashigek/54277494.html
写真集http://blog.livedoor.jp/ohmss700/

【Import control measures of Foreign countries and local, December 12, 2013 】

Understand objectively their country. information sharing for this purpose is important.
Yet, major newspapers of Japan not to write at all.
December 12, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, disclosed "Import control measures of Foreign countries and local". secretly, it's as usual.
Deregulation seems to have stopped in September apparently. the reason, Beta-rays such as strontium 90 and tritium.
However, it will become apparent at the same time. is that there is no problem on the west side than Mt.Fuji. and, Hokkaido versa.
To ensure Tokyo Olympic 2020, Japan can select one of two.
One, As soon as possible, collect a lot of skills and technology in the world. In order to confine the radiation source of Fukushima.
One more is, Perfect information hiding.
By the way, Economic Affairs Bureau of the Ministry of Foreign Affairs is chosen the latter. since there is no update of information since July.

① Stop all or part of the imported foods of all from Japan / Other foods need a certificate

South Korea (Target of stop:Specified product/Fukushima, Gunma, Tochigi, Ibaraki, Miyagi, Chiba, Kanagawa, Iwate, Nagano, Saitama, Aomori, Yamanashi, Shizuoka)
China (Target of stop: Foods of all/Miyagi, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Nagano)
Brunei (Target of stop:Specified product/Fukushima)
New Caledonia (Target of stop:Food and feed of all/Miyagi, Yamagata, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Yamanashi, Nagano)
Lebanon (Target of stop: Shipping Restricted items/Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba, Kanagawa)

② Certificates required for all of the food from Japan

Indonesia, Thailand, Argentina, French Polynesia, United Arab Emirates, Iraq, Oman, Qatar, Kuwait, Saudi Arabia, Bahrain, Egypt, Republic of Congo, Morocco

③ Stop import part of foods from Japan,  or take the certificate

Singapore (Target of stop:Specified product in Fukushima)
Hong Kong (Target of stop:Specified product/Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba)
Macau (Target of stop:  Specified product/Fukushima, Miyagi, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Nagano)
Taiwan (Target of stop:All foods/ Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba)
Philippines (Target of stop:Specified aquatic products in Fukushima)
U.S.A.(Target of stop: Shipping Restricted items/Aomori, Iwate, Miyagi, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Niigata, Yamanashi, Nagano, Shizuoka)
Russia (Target of stop: Aquatic products, processed marine products/  Aomori, Iwate, Miyagi, Yamagata, Fukushima, Ibaraki, Chiba, Niigata)
Bolivia, Brazil, EU/Did not stop

④ Strengthening inspection
India, Nepal, Pakistan, Australia, Ukraine, Israel, Iran, Mauritius

このレポートの先行日本語版は、№72 『2014 正月号』に在ります。
http://ohmss700.blogspot.com/2013/12/722014.html