2014年2月2日日曜日

No.74・75『地域振興と観光産業のかかわりについて2014』3月号・4月号

№74 "About the involvement of the tourism industry and regional development" March issue 2014.0301

【国営放送になるNHK】 NHK will be state-owned broadcasting

 曰く、変な事が起きるとは考えにくいから、特定秘密保護法についてはNHKスペシャルで取り上げる必要はない。国際放送の強化は政府見解の代弁。首相の靖国参拝は肯定。従軍慰安婦の仕組みは、ドイツに、フランスに、オランダに、ヨーロッパはどこにでもあった。
 これらの発言は、就任会見の席でNHKの新会長がまくしたてた持論だ。どれも万人が納得するような答えの存在しない問題である。
 にもかかわらず、この新会長の明らかな政府寄りの発言は、株主や広告主に左右される民放とは違う国営放送までもが、既に中立的立場にないという事を示唆している。
 新聞報道によると、これらの発言は『ニュース7』でも報じられなかったという。つまり局の方も、流石にこれはまずいという判断が働いたという事である。だが、実のところその姿勢こそが国権の介入を容易にするのだ。
 ETV特集ホットスポット取材班解体以来、このところどこか様子がおかしいNHK。この籾井会長の就任を許すというのであれば、世論調査や放送コンテンツによる世論誘導等が起きないように、気をつけなければならない。
 1/28、NHK経営委員会は注意にとどめ、進退に関する議論はなかったという。また、1/31の国会では弁明に終始したと言うが、やはり進退問題には至らない。そして、原発推進の政府を前に、反原発論は選挙の争点になっているからとNG圧力をかける。
 つまり、過半数超えの政権子飼委員に会長を加えた今後のNHKは、今まで以上に簡単に、公共放送の看板を国営放送のそれへと掛け替える事ができる事になるのである。
 野党第一党は、二人の経営委員の問題発言も含め『放送法とNHK問題に関するPT』を発足させた。だがこの政党も、福島第一原発事故による被曝問題については、報道に圧力をかけてきた経緯がある。どっちもどっちだ。
 パリに本部を置く『国境なき記者団』は2/12、日本の報道自由度を世界第59位とした。昨年の53位から、一気に6位ダウンである。5段階分類では、3番目の『顕著な問題』のある国に転落。東アジアでは台湾や韓国を下回る自由度とした。

【農水省 諸外国・地域の規制措置1/24】Import control measures of foreign and  regional, January 24

 自国を客観視する為にも国際社会との情報共有は必要だ。以下は1/24に農水省が更新していた【諸外国・地域の規制措置】である。
 インバウンドビジネスや東京五輪を成功させる為の方法は二つに一つしかない。一つは世界の知見を集めて、放射線源を一刻も早く遮断する事。もう一つは徹底して秘密にする事である。

①日本のすべての又は一部の食品につき輸入停止/他の食品につき証明書を要求

韓国(停止対象県:福島、群馬、栃木、茨城、宮城、千葉、神奈川、岩手、長野、埼玉、青森、山梨、静岡の指定産品)
中国(停止対象県:宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の全ての食品・飼料)
ブルネイ(停止対象県:福島の指定産品)
ニューカレドニア(停止対象県:宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、山梨、長野の全ての食品・飼料)
レバノン(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川の出荷制限品目)

②日本のすべての食品につき証明書を要求

インドネシア、タイ、アルゼンチン、仏領ポリネシア、アラブ首長国連邦、イラク、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、エジプト、コンゴ共和国、モロッコ

③日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求

シンガポール(停止対象県:福島の指定産品)
香港(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の指定産品)
マカオ(停止対象県:福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の指定産品)
台湾(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の全ての食品)
フィリピン(停止対象県:福島の指定水産品)
米国(停止対象県:青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、静岡の出荷制限品目)
ロシア(停止対象県:青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、千葉、新潟の水産品、水産加工品)

ボリビア、ブラジル、EUは停止は無し

④検査強化
インド、ネパール、パキスタン、ウクライナ、イスラエル、イラン、モーリシャス
なお、豪州は解除、新たにトルコが加わっている。

There is a need to share information with the international community. their own country because look objectively.
January 24, the Ministry of Agriculture has updated the "import control measures of local and overseas".
Japan must choose one of two options. for the success of the Tokyo Olympics and inbound.
One, As soon as possible, collect a lot of skills and technology in the world. In order to confine the radiation source.
One more is, Perfect information hiding.

① Stop all or part of the imported foods of all from Japan / Other foods need a certificate

South Korea (Target of stop:Specified product/Fukushima, Gunma, Tochigi, Ibaraki, Miyagi, Chiba, Kanagawa, Iwate, Nagano, Saitama, Aomori, Yamanashi, Shizuoka)
China (Target of stop: Foods of all/Miyagi, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Nagano)
Brunei (Target of stop:Specified product/Fukushima)
New Caledonia (Target of stop:Food and feed of all/Miyagi, Yamagata, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Yamanashi, Nagano)
Lebanon (Target of stop: Shipping Restricted items/Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba, Kanagawa)

② Certificates required for all of the food from Japan

Indonesia, Thailand, Argentina, French Polynesia, United Arab Emirates, Iraq, Oman, Qatar, Kuwait, Saudi Arabia, Bahrain, Egypt, Republic of Congo, Morocco

③ Stop import part of foods from Japan,  or take the certificate

Singapore (Target of stop:Specified product in Fukushima)
Hong Kong (Target of stop:Specified product/Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba)
Macau (Target of stop:  Specified product/Fukushima, Miyagi, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Tokyo, Niigata, Nagano)
Taiwan (Target of stop:All foods/ Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Chiba)
Philippines (Target of stop:Specified aquatic products in Fukushima)
U.S.A.(Target of stop: Shipping Restricted items/Aomori, Iwate, Miyagi, Fukushima, Ibaraki, Tochigi, Gunma, Saitama, Chiba, Niigata, Yamanashi, Nagano, Shizuoka)
Russia (Target of stop: Aquatic products, processed marine products/  Aomori, Iwate, Miyagi, Yamagata, Fukushima, Ibaraki, Chiba, Niigata)

Bolivia, Brazil, EU/Did not stop

④ Strengthening inspection
India, Nepal, Pakistan, Ukraine, Israel, Iran, Mauritius
In addition, Australia is released, Turkey has been added.

[Supplement]
Is no problem on the west side than Mt.Fuji. and Hokkaido versa.

【三重テラスの平均単価】Average unit price of MIE Terrace

 2/6の朝刊によると、昨秋三重県が日本橋に開設した『三重テラス』の9/28から1月末までの入館者数は18万4186人だったとの事。一日あたり1510人だそうだ。
 一方、売上は7726万円(物販4470万+レストラン3256万)との事。ならば平均客単価は419円しかない計算になる。
 だからかどうかは分からない。が、県知事は要望の高い生鮮食料品も、例えば期間限定の朝市で出せるようにしたいようだ。
 しかし昨年10/4の中日新聞によると、ここの目的は『首都圏への情報発信や観光誘客』であって、もともと売上は度外視だった筈である。だから目標設定もない。
 したがって、物販への過度の傾倒は初期目的からの逸脱であり、指定管理業者のプロモーション能力も疑わしい限りだと言えよう。
 つまり県営スーパーではない以上、そこで需給が完結してしまう物販よりも、三重県へと一人でも多くの足を向けさせる努力こそ尽力すべきなのである。
 例えば東京に集中する世界各国の大使館員を招いて、三重の魅力を本国へと伝えてもらうというコンセプトはどうか。これこそ、首都の地の利を活かした戦術である。

 ところで、以下は三重県の某指定管理業者が運営する某市所有の施設のデータである。ご覧の通り2007年をのぞくと毎年赤字だ。
 平均客単価は2215円から最大2865円。これは県の『観光客実態調査報告書(全国基準)』にある人数で営業収入を割ったものである。ただし『三重テラス』と違ってこちらは宿泊施設だ。とみれば、この客単価はかなり低いものであると言えよう。
 だが2/3の報道によると、2013年は既に4月から12月の9ヶ月間で前年(2012)比900人の宿泊増となり、収益改善の兆しがあるとしている。
 されど、たかだか前年比で月100人程度の増加ペースでは、年換算約7600人が最上限だ。対前々年(2011)比では▲12.9%に過ぎないのである。2011年は震災と原発事故の年だ。

         最終損益      指定管理料
2007(H19)   371万0362円 1397万4828円
2008(H20) ▲1876万5008円 1100万6820円
2009(H21) ▲ 443万6397円 1100万6820円
2010(H22) ▲2120万9316円 1100万6820円
2011(H23) ▲1735万2526円 1159万5000円
2012(H24) ▲2094万8588円 1159万5000円

      宿泊  宴会   食堂   入浴  市への報告数 売店
2007(H19) 8726人+2488人+1万3674人+2万7035人=5万1923人 (33926人)
2008(H20) 7818人+2030人+1万4234人+2万6439人=5万0521人 (記載なし)
2009(H21) 7685人+1694人+1万2633人+1万4373人=3万6385人 (記載なし)
2010(H22) 7135人+1476人+1万1373人+2万3832人=4万3816人 (記載なし)
2011(H23) 8726人+2488人+1万3674人+2万7035人=5万1923人 (記載なし)
2012(H24) 6453人+1273人+      8639人+1万8803人=3万5168人 (記載なし)

        営業収入     事業費    人件費
2007(H19) 2億0134万6126円−(1億2601万0764円+7501万2633円)=   665万7998円
2008(H20) 1億8415万5107円−(1億2056万1131円+8424万2697円)=▲2064万8721円
2009(H21) 1億7805万5316円−(1億1033万8825円+7411万4169円)=▲  639万7678円
2010(H22) 1億5812万0650円−(1億0793万6858円+7433万7951円)=▲2415万4159円
2011(H23) 1億5132万3905円−(1億0459万6680円+6759万2913円)=▲2086万5688円
2012(H24) 1億4071万7561円−(1億0382万9389円+6216万1976円)=▲2527万3804円

『観光客実態調査報告書(全国基準)』 記載の年間利用者数
2007(H19)/86563人 2008(H20)/83139人 2009(H21)/66575人
2010(H22)/60159人 2011(H23)/52805人 2012(H24)/49928人

 なお、市への報告数と県への報告数の差は、売店の人数を加えるか否かにあるようだ。だが、ここは道の駅ではないので、売店だけの入り込みは殆どない。県への報告数は水増しのダブルカウントである。したがって市への報告数で割ると、もう少しだけ平均単価は上がる事も付記しておく。

【貿易赤字2013】Trade deficit 2013

 2013年の貿易赤字は過去最大の▲11兆4745億円。
 政府見解を代弁する1/28のNHKの報道は、円安で火力発電用の原油やLNGの輸入が嵩むからと、世論を巧みに原発再稼働やむなしの方向へと引っ張る。
 しかしまだ、赤字の貿易収支とサービス収支、黒字の所得収支と移転収支を包括した『経常収支』の報道がない以上、センセーショナルに報じるのは早いのではないか。なぜならば、大企業の過去の蓄財を担保とした投資収益である所得収支が、経常収支全体の赤字幅を大幅に埋め合わせてくれるからだ(少なくとも今のところは)。
 同時に今回のNHKは国内生産の減少にも触れた。円高対応の為に家電メーカーが、生産拠点を海外へとシフトしたのが原因だそうだ。しかしこれは逆に言えば、赤字が膨らむ原因はメードインジャパンの逆輸入にあるとも受け取れる。
 この事は1/28付の中日新聞も裏付ける。11月の白物家電の国内出荷額は、過去16年で最大だった1997年を超えるとの事。中でもエアコンの出荷台数901万台に至っては、1972年の調査開始以来最大だそうだ。この事からアベノミクスの三本目の矢が、アジアに飛んで行った事が明確に分かる。フル生産に追われる国内工場が極めて僅かだからだ。

【そして経常収支2013】And the Current account balance 2013 

 そしてNHKは、連休なか日の2/10に2013年の経常収支を報道した。予測通りまだ黒字ではある。
 だがそれは、統計が比較できる1985年以降最少の3兆3061億円だ。それも、貿易赤字を8346億円ほど修整した10兆6399億円とした上での事である。対前々年比(2011)では▲31.5%だ。所得収支16兆5318億円を以ってしても、経常収支が過去最少である事に変わりはないのである。
 インバウンド産業によるサービス収支の底上げを急がなければならない。

And NHK was reported, in February 10 which is sandwiched between a holiday. It's Current account balance of 2013. As expected, It's still balance of payments surplus, for now. it is 3,306,100,000,000 JPY.
But it's the least since 1985 the statistics can be compared.
And it is based on the trade deficit of 10,639,900,000,000 JPY, which was Decreased 834,600,000,000 JPY. It's ▲31.5% in the year before last year.
That's in the past minimum. even if there be 16,531,800,000,000 JPY income balance.
Japan need to hurry the raise of the Balance on services. it in Inbound industry.

 こんな時代に松阪市では、新年度より『まちづくり交流部』と『農林水産部』を統合し、『産業経済部』と『メードインまつさか課』を立ち上げるとの事。派手な企業誘致よりも存続企業の活性化を図る方針だそうだ。さもありなん、いつ去るか分からない企業誘致よりも、既存のポテンシャルを引き上げる事の方が、はるかにサスティナブルである。観光の名は消えるが、観光も国内外からの外貨を稼ぐ産業の一つである以上、何も20世紀型のイメージをいつまでも引き摺る必要はないだろう。
 これは極めて現実的な取り組みだ。ただし、実行力が伴えばの話でもあるのだが。

【通常の22.2倍】22.2 times of the normal

 ビッグイベントの陰で、こっそりリリースされる重大ニュースがある。しかも株価に影響の出ない土曜の朝刊でだ。
 すっぽり列島が大雪に包まれ、ソチ五輪も始まった2/8の朝刊も、何か出るだろうとは思っていたが二つも出た。
 一つは東京五輪決定前より東電が伏せていた、高濃度ストロンチウムによる地下水汚染500万ベクレルの件。産経新聞によると、ベータ線全体では1000万ベクレル相当だった可能性があるとの事。
 もう一つは福島の子供たちの甲状腺がんの件。事故発生当時18歳以下だった子供たちの中から、発症の疑いと確定が合わせて74人にもなっている。中日新聞の記事によると、通常の発生率は100万人に対して1人から9人。だが、検査対象37万人の子供たちの現況は100万人に対して192人と、通常の22.2倍にものぼる。にもかかわらず検討委は、現時点では放射線の影響は考えにくいと云う。
100万:9と37万:74は、(100万÷37万)✕74で199.99人
199.99÷9で22.2倍
とても尋常だとはいえない状況である。

In the shade of the big event, there is significant news to be released in secret. that's through the morning news papers of Saturday. In order not to affect the stock trading.
So I thought something would come out on February 8. on this day, the Japanese islands are hit by heavy snow, Olympic was also opened in Sochi.
Sure enough, it was two things. It's the Chunichi Shimbun.
One, TEPCO was silent that groundwater contamination was 5 million Bq/liter of Strontium. this is the information earlier than Tokyo Olympics decision.
Sankei Shimbun, showed potential. Beta-ray contamination of the entire be about 10 million Bq/liter.
One more, Problem of thyroid cancer in children of Fukushima. affected individuals with suspicion patients has increased to 74 people. the subject is, all children under the age of 18 at the time of the accident.
In general, the incidence of one million people 1-9 People.
However, people of the 370000 target, the incidence of 192 People. this is 22.2 times.
However in the Exploratory Committee, it's opinion unlikely that the effects of radiation at the stage of yet.
1000000:9 / 370000:74 is (1000000÷370000)✕74=199.99
199.99÷9=22.2 times
This is a situation it is not normal times.

【放射線教育】Radiation education (2/15夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie February 15 posts)

 だからという訳ではないのだが、松阪市では新学期より、小学校から放射線教育を始めるそうだ。そのカリキュラムは一年でホットスポット、三年生で外部被曝と内部被曝の防止法、五年生でベクレルやシーベルトである。
 我が国は世界で唯一の原爆被爆国であり、世界有数の原発大国だ。にもかかわらず多くの大人たちは原発安全神話から、これまでまともに教育を受ける機会は皆無であった。
 福島第一原発が爆発するまでは。
 かくいう私も知識は当時ゼロに近く、頼りとするのは報道だけであった。なにしろこの手の書籍は、その後続々と新旧のものが出版されるまでは、古書店の棚で埃を被ったものしか無かったのである。むろん、見つける度に片っ端から買って読んだ次第だが、その数は図書館から借りたものやダウンロードした専門文献も含めると40冊にもなった。
 目に見えない脅威を理解する必要があったからである。
 こうして複数の書物を読み進むと、安全か危険かの二者択一では答えの出ないものや、同じ事象でも編者の視点や、その国の政治判断によって真逆の見解に分かれることがある事も分かる。
 もちろん両論を知る事が、偏見を無くす目的に繋る事は言うまでもない。今も低線量長期被曝については見解が二分する。大人も一緒に学ぶべきである。

【昇龍道の実態】 Realities of Dragon-root

 もともと『昇龍道』は、石川県の温泉旅館『多田屋』さんの社長が会長になって石川・富山・岐阜のホテルや料理店といった10事業者がつくったものであり、セントレアを起点に東海北陸道に沿って北陸の観光促進を意図するものだった。それがいつしか『昇龍道推進協議会』となり、その会長に中電の三田会長が収まって中部運輸局が音頭を執る事となった。三重県にはこの時点で、初めて龍の尻尾が届いた経緯がある。
 だが、さすがに主体が中部経団連と運輸局になっただけの事はある。№51『2012』4月号、№57『2012』10月号と折に触れて述べてきたが、2/11の報道で『昇龍道』の本質が見えてきた。即ち、最も重要な個人客の国際空港からの移動手段が名鉄の独壇場となる以上、三重には龍の尻尾の先の毛も届かない事が明白になったのだ。同社のバス網も鉄道網も三重には届かないのである。
 紀伊半島の東部全域を占める三重県は、近畿圏に在ると同時に東海三県として中部経済圏の一員でもある。セントレア株0.66%も岐阜県と同じだ。 しかし、立地条件が二つの経済圏と重複するが故に、その立場は両圏の何れの場合に於いても末席に甘んじる事になる。これはその典型だと云えよう。
 県庁や議員の中には肩を落とす向きもあるかも知れない。
 だが今回の件は、紀伊半島歴史文化を誇る三重にとっては、むしろラッキーであるといえる。なぜならば、元々『昇龍道』が想定するインバウンドは、成長著しい国とはいえGNIの低い若い国ばかりだからだ。これは今のセントレアの国際線の、実に92.8%の便がアジア太平洋便ばかりである以上如何ともし難いものである。したがって人数だけは稼ぐ事ができても、実際に儲かるのは旅客輸送業だけで、場合によっては自治体が追い銭を負担しなければならない団体すら有り得るからである。

【ムスリム圏からのインバウンド】 Inbound from the Muslim area

 最近とみにムスリム・インバウンド誘致の話が多い。先日も中部運輸局から、受け入れ環境対策セミナーが開催されるとのお知らせがあった。どうやら、厳しい宗教上の戒律に則した礼拝マットやキプラコンパス、ハラールフード等を、急いで啓蒙する必要に迫られているようである。
 たしかにグローバル時代においては、異文化も国民レベルで理解しておかなければならない事は当然である。だがそれは、最初に誘客ありきの商業ベースではなく、先ずは教育現場における相互理解教育の方が先である。でなければコミュニケーションも取れない。なぜ付け焼き刃で急ぐのだろうか。
 そこで調べてみたら、こんな裏事情が見えてきた。どうやら日本は、観光収入増加によるサービス収支の向上よりも、もっと儲かりそうなものを見据えているようだ。
 即ち、フクシマの事故に衝撃を受けたインドネシアのユドヨノ大統領は、自分の任期中に原発導入はないと明言していたが、その任期が今年の7月で切れる、つまり成長著しい人口2.5億弱の国への原発輸出の好機が再び巡って来たという事である(因みに、今年から着工予定となっていたベトナムの原発は2020年まで延期となった)。
 なにしろこの国は、石油や鉱物資源が豊富であるとはいえ、更なる外国企業の進出を引き受ける為には電力の安定供給が必須となる。が、いまだ100%近い電力の安定供給は首都ジャカルタのみであり、液化天然ガスの原料も日本への輸出が優先される為に、自国消費分が足りないジレンマに陥ってきている。そして原発導入に関する法整備は既に整ってもいる。
 つまり、成長著しい国の経済発展をもっと加速させて、その国の生活水準を一時的に高めてみせ、と同時にグローバル企業が高利益を得る為には、低コストの労働者とエネルギーの調達が欠かせない。両国間の観光振興策は、業界振興とは程遠い、民間外交的な役割に過ぎないのである。
 こういったケースは、中国インバウンドの時で一度懲りた筈だ。大きな人口にファンタジーを抱いてはいけない。人口13億超の中国人インバウンドの時も、蓋を開ければ最も多い年(2010年)でも141万2875人、総人口の僅か0.001%しか来日せず、売上を上げたのも家電や化粧品といった物販業界だった。観光業界の多くは、安価でなければ対応できなかった筈である。
 これは半世紀前の日本もそうだったが、社会成熟度がまだ若く、国内総生産[GDP]や、国民総所得[GNI](国民総生産[GNP])が低い間は当然なのである。

 なお、スカルノハッタ国際空港からのガルーダ航空の乗り入れは、関空と成田と羽田だけである。かつてはデンパサールからセントレアへのバリ便もあったが、今はない。と言う事は、『昇龍道』の本命は、来月セントレアに就航するフィリピン(マニラ便)とマレーシア(クアラルンプール便)なのかも知れない。

【2012世界銀行加盟国の一人当りのGNI(国民総所得)と人口】
Population and Gross National Income per capita of the World Bank member countries 2012

  ・ 2013年12/17版より タックスヘイブン含む
  ・○数字は、日本の外務省経済局国際経済課版にみる国際順位

  1位        モナコ******US$ 3.758万人
  2位  リヒテンシュタイン******US$ 3.666万人
  3位①位    バミューダ104590US$ 6.481万人
  4位②位    ノルウェー 98860US$ 501.9万人
  5位③位      スイス 80970US$ 799.7万人
  6位       カタール 76010US$ 205.1万人
  7位④位  ルクセンブルグ 71620US$ 53.14万人
  8位        マン島 *****US$ 8.528万人
  9位     チャネル諸島 *****US$ 16.39万人
 10位⑤位    デンマーク 59850US$   559万人
 11位⑥位       豪州 59360US$  2268万人
 12位      サンマリノ *****US$ 3.125万人
 13位   マカオ中国SAR 55720US$ 55.68万人
 14位⑦位   スウェーデン 55970US$ 951.7万人
 15位     ケイマン諸島 *****US$ 5.757万人
 16位     フェロー諸島 *****US$ 4.951万人
 17位⑧位       米国 52340US$ 3.139億人
 18位⑨位      カナダ 50970US$  3488万人
 19位       クェート 44100US$   325万人
 20位⑩位     オランダ 47970US$  1677万人
 21位⑪位       日本 47880US$ 1.276億人
 22位⑫位   オーストリー 47660US$ 846.2万人
 23位⑬位   シンガポール 47210US$ 531.2万人
 24位⑭位   フィンランド 46490US$ 541.4万人
 25位        *** *****US$
 26位⑮位     ベルギー 44660US$  1114万人
 27位⑯位       独国 44260US$  8189万人
 28位⑰位       仏国 41750US$  6570万人
 29位        *** *****US$
 30位        *** *****US$
 31位⑱位   アイルランド 39110US$ 459.3万人
 32位⑲位       英国 38670US$  6323万人
 33位⑳位   アイスランド 38330US$ 32.01万人
 34位        *** *****US$
 35位    香港中国SAR 36560US$ 715.5万人
 36位   アラブ首長国連邦 35770US$ 920.6万人
 37位       イタリー 33860US$  6092万人

 41位       スペイン 29620US$  4727万人

 47位       ギリシャ 23260US$  1128万人

 49位         韓国 22670US$   0.5億人

 72位        ロシア 12700US$ 1.435億人

 79位       ブラジル 11630US$ 1.987億人

 86位      マレーシア  9820US$  2924万人

111位         中共  5760US$ 13.51億人

117位      タイランド  5210US$  6679万人

136位      ウクライナ  3500US$  4559万人
137位     インドネシア  3420US$ 2.469億人

143位       モンゴル  3160US$ 279.6万人

153位      フィリピン  2500US$  9671万人

155位       ブータン  2420US$ 74.18万人

162位        インド  1580US$ 12.37億人

163位       ベトナム  1550US$  8878万人

台湾(2306万人)は、1980年に中共の世界銀行加盟と同時に脱退。

【台湾ランタンフェスティバル】Taiwan Lantern Festival

 台湾政府観光局が1995年からイベント化したランタンフェスティバルが、今年も2/14から始まった。
 例によって三重県では、県内からの出場しか報じられていない。が、実は名古屋市、三重県、北海道、高知県、そして福島県もわらじ祭りで参加している。とりわけ総勢100名を繰り出した名古屋市は盛大で、『にっぼんど祭り』のパレードとステージパフォーマンスを披露した。けっして三重県の独演場だという訳ではないのである。
 それでも、人口2323.6万(2012)人を数える台湾に於けるこのイベントは、例年その半分に近い1000万人超の集客がある。国際交流が増え、相互理解がすすむ事はいい事である。
 しかし旅行会社の案内を見ると、このフェスティバルへの送客商品は目立つが、その逆はついぞ見た事がない。
 なぜだろう。
 年間予算98.11億JPY(2014年度。復興枠を含めても103.6億)しかない観光庁に、このようなナショナル集客イベントを開催する甲斐性が無いからであろうか。

【MRJの活用】Use of MRJ (2/26夕刊三重掲載の原文 Original the Evening paper Mie February 26 posts)

 シンガポール見本市でも紹介されていた、日の丸プロジェクトであるMRJ(三菱リージョナルジェット)。今朝(2/21)の報道によると、現在その受注数は320機だそうだ。
 一昨年12/14のNHKニュースによると、スカイウェスト社からの受注数は100機で3500億円との事。1機あたり35億円(オスプレイの約半値)である。と云うことは、仮に一年で320機売ったとしても、1兆1200億円の勘定にしかならない。これはトヨタの年間売上高(22兆0641億9200万円 2013)の19.7分の1だ。県知事のいう、大きな雇用効果は少しばかり疑問である。
 因みに初納入は、開発10周年目の2017年の予定だ。
 しかし、古いものと新しいものとの棲み分けが、その土地の『幅』を厚くする。華やかな航空産業の生産拠点の一つが松阪にできるという事を、歴史的文化観光コンテンツとセットでプロモーションをかければ、双方が引き立つ為に国際的な認知を促進する事は間違いないだろう。産業観光をも含め、地域経済の裾野を広げるのである。
 御城番屋敷や長谷川邸上空をかすめるような、MRJの図のイメージポスターなど如何だろうか。

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№75 "About the involvement of the tourism industry and regional development 2014 " April Issue 2014.0401

【可処分所得】Disposable income

 TPP交渉が行き詰まった。米国の倍近い日本のエンゲル係数が劇的に下がり、可処分所得も増えるものと期待していたのだが。
 その可処分所得だが、2/24の共同通信によれば、去年一年間の中国における一人あたりの年間平均可処分所得は1万8311元との事。日本円換算だと年間約30.7万円になるそうだ。という事は、中国国家統計局は1円=0.0596449元で計算しているようなので、農村部の8896元は年間約14万9150円、都市部の2万6955元は年間約45万1925円だという事になる。(ちなみに2/28に見せた人民元の最安値1円0.06180元だと、8896元は14万3934円に、2万6955元は43万6123円に目減りする)。
 英国のユーロモニターによると、日本の年間可処分所得は全国平均一人あたり約241.8万円(2011)だ。比較してみると、まだまだ少ない事がこれで分かる。
 しかし、中国の平均的な消費者物価は日本の約10分の1である。つまり中国人が中国国内で自国製品やサービスを求める限りに於いては、30.7万円も307万円に匹敵する価値を有する事になる。
 ところが海外旅行となると勝手が違う。例えば1000USドルの往復航空チケットが在ったとすると、日本人ならば約10万円で買うことができるが、中国人は年間の平均可処分所得の3分の1の人民元を費やす事になる。
 したがって後進国は、必然性をもって自国の物価水準で運行コストが賄える、自国の国際線就航へと走るのである。

【国家間錬金術】Alchemy between nations

 6ないし7日間で平均16万7300円。これは2/26付朝刊に入った日本の某大手旅行会社主催のベトナム・カンボジア行き商品三種類の、上限価格と最安値の平均値である。
 この、ベトナム航空のエコノミークラスを利用した価格は、平均的な日本人観光客わずか59万7729人で、総売上1000億円を超える。同国の国民総所得(GNI)は日本の31分の1。物価水準の差を鑑みると、これはとてつもない大金だ。日本の初期の原発が1基建設できるし(発展著しい国から同じ数の観光客が来ても不可能である)、約4兆円の国家予算の40分の1にも相当するのである。
 同国は、今年着工予定であった原発建設を2020年まで延期とした。安い買い物ではない。という事は、日本人観光客の積極的な送客は、実は国家間錬金術ではないのかとの疑念が湧く。貿易収支とサービス収支が、両国の間で全く釣り合わないからである。

1VND:0.00482488JPY

 なお、2010年に戦略的互恵とやらで、373万1200人もの日本人観光客を中国へと送客した結果として、如何に日本の国内観光地が窮したか、また、中国の軍拡にも与したかの検証も成されるべきである。平均価格16万7300円×373万1200人は6242.3億円。ウクライナから中国へと、スクラップ船として払い下げられた空母(遼寧)の本体価格は日本円で約20億。これはその312隻分にも相当する額だからだ。

【スペイン村の遷宮効果】Impact of Sengu to Shima Spain Village

 3/1付の中日新聞によると、遷宮のあった昨年の志摩スペイン村の入場者数は141万8000人との事。5年振りの前年超えだそうだ。
 だが、この記事だけではどれだけ増えたのかは分からない。そこで県の統計を参照してみると、その前年2012年の入場者数は133万3000人とある。つまり増えたのは8万5000人で、前年比6.37%の増加だという事である。
 しかしこれは、式年遷宮のおかげで2012年の803万1095人から一挙に1420万4816人へと、617万3712人増えた伊勢神宮(内宮+外宮)の増加率76.87%と比べると明らかに小さい。しかも、伊勢神宮の増加率が10.29%にとどまった年末年始の方が志摩スペイン村にとっては順風で、前年比13%の増加と伸びしろも増えている。
 この事は、両コンテンツの相関を示すことが無意味であると同時に、着地点が違えば時間配分も目的意識も客層も違うんだという事を、あらためて認識させられる。

【未来への投資】Investment in the future

 №73『2月号』で予測したとおり、やはり伊勢市は遷宮アフター対策として、周辺神社の参詣者カウントを見込んでいるようだ。
 3/4の報道によると、2001年より伊勢神宮崇敬会が年三回会員向けに行っている事業に倣って、近鉄や旅行会社も一般向けの日帰りハイキングイベントを催行、名古屋の出版社も神宮125社めぐりのマップを昨年11月に発行したとの事。
 昨年伊勢市は、神聖な神宮参詣者を内宮と外宮でダブルカウントして、統計史上最多の1420万4816人の観光集客とした。2014年度の集客目標も1300万人と強気だが、なるほどこれならば、仮に一人の市民が一年かけて内宮も外宮も踏まえて125社を踏破すれば、年125人の観光客に化ける計算になる。極論すれば、人口12万8106人の伊勢市民81.2%の動員でも足りる。
 しかしこんな事で体面を保ったとしても、地域経済への波及は内宮前の地価を支えるだけである。だいいち一昨年、三重県が主催したシンポジウムで、矢ヶ崎元参事官は観光庁の見解として、参拝行動を観光客とする事に異論がある事を認めている。はたしてグローバルな統計基準に、いつまで参拝行動が入っている事ができるだろうか。ロシアのロスツーリズムのような、観光経済を推し量る厳密統計ならばアウトである。
 つまり伊勢の市長が望むように、今から本気でインバウンド集客に取り組まなければ、2073年の第65回式年遷宮後は日本人口が今の半分近くに減っている以上、地域にとっても国にとっても、たいへん寂しい結果をもたらす事になるのである。

【ウクライナ】Ukraine

 周辺諸国を巻き込んで、二大超大国が陣営を組んでいた時代は典型的だったのだが、昨今のウクライナ情勢について一部のメディアが使う、東西冷戦の再来との文言は大変危険である。直接民主主義からは程遠いナショナリズムや民族主義の台頭を許すばかりか、第三の勢力拡大を許す隙すら与えかねないからだ。EUも、米国一国の安全保障を請け負って対立の矢面に立つよりも、国益を優先すべきである。
 たとえば、1986年に爆発したチェルノブイリ原発の被害者に親欧派も親露派もない事は明白だが、その廃炉には10年で20兆円かかるとされる。ニューズウィークによると除染作業も2065年まで続くそうだが、そのコストをウクライナは負担し続けなければならないのである。果たしてEUは、このソ連の忘れ形見に、天然ガス代金の支援同様の資本投下を永続的に行う為の『域内同意』は得られるのだろうか。英国や独国がロシアに一定の理解を示すのも、金融や天然ガスによる国益を重視するというよりは、グローバル競争時代ならば当然の選択のように映る。古臭いイデオロギー対立による争いなぞ、たとえ戦さに勝ったとしても、全然儲からない時代だからである。
 にもかかわらず、日本の首相は日米欧の協力外交を掲げたかと思うと、国家安全保障局長をロシアに派遣した。霞ヶ関が右往左往している間に、公平な立場の仲介役をアピールした中国に、先を越されたからに違いない。まさか、防諜機関の親玉を送り込んで、二枚舌外交を展開するつもりではあるまいな。
 1994年1/1。ウクライナは核兵器用プルトニウムの生産を停止したが、日本政府はこの年から核兵器廃棄要員の検査と治療の為の医療機材(医療機器・医薬品・各種分析機材用試薬)を、2001年までの8年間4次にわたって供与。衆議院厚生委員会で被爆者援護法が賛成多数で可決した12/1には広島で、チェルノブイリで被曝した子供6人の検診も実施。だが、昨年8/25のNHKニュースによると、いまだに約200万人にも及ぶ心臓や血管の病気、慢性疾患を対象とした無償検診が行われている。つまりウクライナには、これからのフクシマに必要な知見が揃っているのだ。放射性物質の拡散調査衛星をウクライナ製ロケットで打ち上げる計画もある。
 ご破算ににならなければいいのだが。
 なお、人口4543万人(2012年)のウクライナ行きロシア人インバウンドは、五年間平均で(2007年〜2011年)で775万5960人/年もある。交流は安全保障の担保だ。欧州メディアはこれを書かなければいけない。

【覆水盆に返らず】It is no use crying over spilt milk.

 東日本大震災から三年が過ぎた。その遅々として進まぬ復興の妨げが、福島第一原発事故にある事は誰の目にも明らかである。とりわけ、ベータ線を放出する高濃度汚染水の増加は深刻だ。 覆水盆に返らずと言うが、その後始末なくして完全な復旧は難しいようである。
 ところで、日本は復興のバロメーターの一つとして訪日外客数を置いている。1036万3900人を数えた昨年は、念願の1000万人突破という事で、各紙でも比較的大きく取り上げられた。震災年に621万8752人にまで落ち込んだ事を思えば、その増加は胸を張れるものなのであろう。
 だが、東京五輪が開催されるまでにとの次のステップ2000万人は、28年前に事故を起こしたチェルノブイリ原発のあるウクライナの、年間外客数2100万人(2012年)以下でしかない。これはウクライナ人口の実に半分に近い実績なのだが、日本では人口の6分の1以下にしか当たらない消極的なものだ。国際観光収入による外貨獲得、GDPの向上はすこぶる怪しいものである。
 かと思えば日本は今年の1月から、『経常収支』を構成する『貿易収支』の中のモノの加工と修理を『サービス収支』に編入して、統計が比較できる過去最大の『貿易収支』の赤字幅削減をはかった。新聞は書かなかったが3/10のNHKの報道によると、これはIMFの新基準に則ったものとの事で、米国、豪州は既に採用、EUも採り入れるのだそうだ。しかし、これらの国は何れも外国人観光客による国際観光収入のベスト10入り国ばかりである。日本はまだ28位の収入だ。『サービス収支』へとツケ回しをするのならば、せめてベスト10入りを果たしてからにしてもらいたいものである。でなけば、被災地や日本経済の復興など、何時まで経ってもまやかしのままになるであろう。
 借金財政が嵩むばかりで、外貨獲得がちっともできていないからである。

【試算】Trial calculation

 3/11に報じられたNHKの試算によると、福島第一原発事故による除染や賠償、廃炉などの損害額の最新の見通し総額は、11兆1600億円余りとなるそうだ。
 その内訳は、除染費用が2兆5000億円、 中間貯蔵施設の整備費用が1兆1000億円、廃炉と汚染水対策が2兆円、去年末の新指針に基づく東京電力の賠償見通しが5兆円超、福島県向けに設けられた原発の立地補助金2000億円、復興加速化交付金1600億円、県民健康管理調査費等960億円、災害公営住宅の建設費730億円、そして、原子力災害復興基金400億円である。
 これは2年3ヶ月前の見積り額のおよそ倍に近いものなのだが、まだこの中には除染土の最終処分費や、事故対応にかかった公務員の人件費などは含まれず、40年続くとされる廃炉費用や、住民などに対する賠償が更に増えることも折り込まれてはいない。
 1990年、旧ソ連はチェルノブイリ原発事故による損害と財政支出は、2000年までに2000億ルーブル(当時の1ルーブル250円換算で50兆円)との再試算を発表した。事故当初の予測は80億ルーブルだったから、これはその25倍、ソ連邦の国家予算40%に相当するものだった(朝日新聞社『チェルノブイリ5年目の報告』より)。そして、つい先日もニューズウィークはその廃炉には10年20兆円が必要だとも報じている。
 福島第一原発には、まだアクティブな原子炉が三つもある。チェルノブイリよりも安くあがる筈がない。消費税増税も一度や二度で済む事はないだろう。
 NHKの試算もまだまだ甘いようだが、日本政府は国民の懐に手を突っ込むよりも、外貨獲得向上を考えなければいけない。経常収支を貿易赤字が蝕むのならば、そろそろ我が国もモノづくり産業依存から脱却し、欧米先進国のようにインバウンド産業で稼ぐよう、大きく舵を切るべきである。たとえばANAとJAL利用で、一人あたり16万7300円×日本人口の約半分のインバウンドが実現できれば、年10兆円のサービス収支の向上になるではないか。

【収益性の向上】Improve profitability

 さすがに世界集計ともなると月日がかかるようで、国連世界観光機関から2012年の国際観光概観がアップされたのは、つい先日の事である。
 その上位国10選をみると、最もインバウンドが多かった国はフランスの8300万人となっており、その外貨獲得高は当時の円換算で4兆2960億円となっている。さすがに歴史文化観光に長けた国だ。
 次点はアメリカの6700万人である。ただし外貨の獲得高はこちらの方が上で、10兆960億円となっている。世界一の観光収入大国は、実はアメリカだったのだ。
 続く三位は中国の5770万人である。外貨獲得高は遼寧2000隻分の4兆円だ。同数四位のスペインも、4兆4720億円を稼いでいる。
 五位から八位まではイタリア、トルコ、ドイツ、イギリスと、西ヨーロッパ勢が並ぶ。九位はロシア、十位はマレーシア。残念ながら日本は選外の836.8万人、1兆1660.8億円(145.76億US$)ぽっちである。
 だが、日本も東京五輪までには年間2000万人のインバウンドを目指すそうだ。そのうち旅行目的地30位、国際観光収入20位ぐらいはクリアできるかもしれない。それ以上は無理だ。
 なぜならば、日本は国際観光を国家経済の柱の一つとしては捉えていないからである。所轄が複数の省と複数の庁に跨がる為、サービス収支向上による経常収支の大幅改善にも関心が薄い。したがって、人数が稼げる低単価インバウンドと引き換えに高単価アウトバウンドが倍増し、一向に旅行収支の改善がはかられないからである。(※)
 なお、3/17のNHKニュースによると、日本の旅行業界は、今月30日から国際線発着枠の拡大を受けた羽田空港発の海外ツアーを拡充するとの事。最大手のJTBも来月以降、現在の75本から一挙に165本へと増やすそうだ。これによりアウトバウンドが増える事は間違いない。インバウンドはどうだろうか?

(※)3/20の朝刊によると、日本の2月の貿易収支は▲8003億円。20ヶ月連続の赤字である。日本政府は、年間2兆円程度が見込める原発輸出を成長戦略の柱とするそうである。

[旅行目的地世界上位国2012]

 1 フランス  83,000,000人
 2  USA  67,000,000人
 3 中  国  57,700,000人
 4 スペイン  57,700,000人
 5 イタリア  46,400,000人
 6  トルコ  35,700,000人
 7  ドイツ  30,400,000人
 8 イギリス  29,300,000人
 9  ロシア  25,700,000人
10マレーシア  25,000,000人

[国際観光収入2012(1US$:80JPY)]

 1  USA   126,200,000,000US$(10兆0960億円)
 2 スペイン    55,900,000,000US$( 4兆4720億円)
 3 フランス    53,700,000,000US$( 4兆2960億円)
 4 中  国    50,000,000,000US$( 4兆0000億円)
 5 マカオ(中国) 43,700,000,000US$( 3兆4960億円)
 6 イタリア    41,200,000,000US$( 3兆2960億円)
 7  ドイツ    38,100,000,000US$( 3兆0480億円)
 8 イギリス    36,400,000,000US$( 2兆9120億円)
 9 香 港(中国) 32,100,000,000US$( 2兆5680億円)
10 豪  州    31,500,000,000US$( 2兆5200億円) 

[国際観光支出2012(1US$:80JPY)]

 1 中  国   102,000,000,000US$( 8兆1600億円)
 2  ドイツ    83,800,000,000US$( 6兆7040億円)
 3  USA    83,500,000,000US$( 6兆6800億円)
 4 イギリス    52,300,000,000US$( 4兆1840億円)
 5  ロシア    42,800,000,000US$( 3兆4240億円)
 6 フランス    37,200,000,000US$( 2兆9760億円)
 7  カナダ    35,100,000,000US$( 2兆8080億円)
 8 日  本    27,900,000,000US$( 2兆2320億円)
 9 豪  州    27,600,000,000US$( 2兆2080億円)
10 イタリア    26,400,000,000US$( 2兆1120億円) 

【なら奈良レポート2014.0318】Report a precedent of Nara 2014.0318

 三重と奈良県間はおろか、紀伊半島全体が霞んだ3/18。この日は伊勢湾東の愛知県でも、初のpm2.5注意喚起情報が発令された。とうぜん標高の高い奈良盆地も例外ではない。
 さて、今回の奈良行きはパンフレットの相互交流が主目的である。宇陀市と桜井市には先だってお邪魔したが、奈良市は1/23以来。さいわい午前中に着いたおかげか奈良市観光協会では、『城郭めぐり』が残り1、『ぶらり松阪』なども僅かに残っていた。さっそく補充の上で、先様の『ならり春号』もお預かりした次第である。
 しかまろくんのぬいぐるみ試作品を手にしたリーダーによると、目下のところ、11月に奈良市で開催されるOECDとEUの第13回世界観光統計グローバルフォーマルの情報が全然ないとの事。市・県・国の情報が噛み合わないのは、どこの自治体も同じのようである。
 だが、こと観光の国際会議ともなれば、相手の出方を伺っていては間に合わないかも知れない。ナショナルイメージにも関わる事である以上、市も県も独自対策を検討したほうがいいのではないだろうか。七ヶ月などあっという間である。
 たとえば奈良のガイドさんが、世界遺産の関連情報として、富士山や、今年登録10周年の熊野古道の全容についての質問を受けるかも知れない。国際会議参加者の意識はディスティネーション・ナラにとどまらず、ディスティネーション・ジャパンだからだ。和食文化、松阪牛やハラールフード、アキバやリニアの質問に対する答えもいるだろう。
 また、日本は『国際観光』を外交的側面を持った余暇産業と見ているが、諸外国は外貨獲得の為の基幹産業と見ている。そのギャップも心得るべきである。
 したがって、この後お邪魔した『平城京歴史館』では、会議で課長さんが不在になると予め聞いていたので、フロントにパンフレットを託すと、翌朝電話で通訳ガイドの必要性をお伝えした次第である。ここは来場の可能性が高い。
 奈良県観光ビジターズビューロー一階の案内所に置いて頂いたパンフレットスタンドでは、僅かに『文化財センター』と『海の道』、そして『城郭めぐり』も残すところ5部となっていた。書記さんには、今回新たに『観光みえ春号』もご紹介した次第である。
 国連観光機関には最後に寄った。国際部長さんは私の分析を読んでくれていた。
 グローバルフォーラムの詳細については、現在、観光庁と関係機関で策定中との事だった。
 すでにご存知のように、ここのデータはグローバル視点による二国間比較で、国対国のみならず、ローカル経済の浮沈をも推量できる唯一無二のものだ。四県一府と四市にとどまらず、もっと多くの自治体の関心が集まれば幸いである。そう思って、昨年一年間の日本の主要旅行業者の売上高推移グラフをお渡しした。『何か』の参考になるかも知れない。
 なお、データブックの翻訳版については、発行のあり方も含め、現在検討中との事である。

【主要国・地域の輸出入等関連措置2/25】Export and Import related measures of major countries and regions, February 25

 2/21のEUの規制緩和発表を受け、外務省経済局は八ヶ月ぶりに、主要国・地域の輸出入等関連措置を3月初めに更新した。日付は2/25付。実に7/1付以来である。ただし、規制緩和といっても東京都と神奈川県を規制対象から外して、一部の野菜、果実、牛肉および茶等を規制対象品目から除外、検査頻度を減らすだけで、まだ全面的な規制解除には至っていない(施行は4/1から)。以下は抜けている国の情報を、農水省のそれから補足したものである。
 
①日本のすべての又は一部の食品につき輸入停止/他の食品につき証明書を要求

韓国(『禁止』対象県:福島、群馬、栃木、茨城、宮城、千葉、神奈川、岩手、長野、埼玉、青森、山梨、静岡の指定産品)
中国(『禁止』対象県:宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の全ての食品・飼料)
ブルネイ(停止対象県:福島の指定産品)
ニューカレドニア(停止対象県:宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、山梨、長野の全ての食品・飼料)
レバノン(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川の出荷制限品目)

②日本のすべての食品につき証明書を要求

インドネシア、タイ、アルゼンチン、仏領ポリネシア、アラブ首長国連邦、イラク、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、エジプト、コンゴ共和国、モロッコ

③日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求

シンガポール(停止対象県:福島の指定産品)
香港(『禁止』対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の指定産品)
マカオ(停止対象県:福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の指定産品)
台湾(停止対象県:福島、茨城、栃木、群馬、千葉の全ての食品)
フィリピン(停止対象県:福島の指定水産品)
米国(停止対象県:青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、山梨、長野、静岡の出荷制限品目)
ロシア(停止対象県:青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、千葉、新潟の水産品、水産加工品)
ブラジル(福島の検査証明書にポルトガル語の翻訳をつける)
ボリビア(福島の検査証明書)
EU(福島、群馬、茨城、栃木、宮城、埼玉、岩手、千葉の検査証明書)

④検査強化
インド、ネパール、パキスタン、ウクライナ、イスラエル、イラン、モーリシャス、トルコ

 なお、外務省版は今年1/23付のオーストラリアの規制解除については記載があるものの、新たにトルコが検査強化に加わった事については言及していない。また、中国、韓国、香港については、農水省版の『停止』を『禁止』と言い換えてもいる。

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"About the involvement of the tourism industry and regional development" April issue Supplement 2014.0401

 以下は今年の11月に開催される、OECDとEU観光統計局の国際観光統計フォーラムの公募に応じて、O.H.M.S.S.でおこなったささやかな分析【Improve profitability(収益性の向上)】を送ったものである(条件は英語のみ)。
 用いたデータは、国連世界観光機関が発行した最新の『国際観光概観2013』(英語版)をダウンロードしたものだ。
 実は、これより先に送った【Emigration and immigration the difference in the number, (出入国の数の差)2013】に添えた、比較データ【Emigration and immigration the difference in the number of bilateral(出入国二国間較差)】についても最新データで書き起こしたかったのだが、まだ『世界観光統計資料集(29ヶ国)2013』が未発行だったので、仕方なく昨年版を分析したものにした。公募締切が昨日(3/31)だったからである。
 しかし、複数年間平均値による二国間比較なので、台湾を除く全ての国に対して日本は輸入超過、収支不均衡状態であるとの結論を得るには充分な根拠になると思う。平均値は私が電卓でコツコツ弾いたものだ。
 なおこれは、既にGooglebloggerや、観光経済新聞社経由でアップロード中のものと同一の、№65の【世界観光統計資料集から】(日本語版)から連載したものをまとめたものである。

http://ohmss700.blogspot.jp/2013/08/22013.html?m=1

http://www.kankokeizai.com/FS-APL/FS-BBS/index.cgi?Session=S520903b01b2f36e53&Code=hiroba01&Mode=View62&Mess=03878

【Improve profitability】(日本語版は№75に収録)

The data aggregation of the world, seems to take the date and time. United Nations World Tourism Organization has uploaded the other day, "Overview of international tourism of 2012 version".
I focused on the top 10. Inbound landing most multiplayer France. It's in the 83,000,000 people, the sales is 4,296,000,000,000 JPY(Rate at the time). Indeed, it is a historical and cultural tourism powerhouse.
The next is the USA. The 67,000,000 people. But, high profit rate was the USA. the sales is 10,096,000,000,000JPY. This is a tourism revenue of the best in the world.
China is Third. It is the 57,700,000 people, the sales is 4,000,000,000,000JPY. this amount of money can buy 2,000 vessels scrap aircraft carrier.
Spain is Fourth . the same number is people. the sales is 4,472,000,000,000JPY. Western Europe group accounted for Eighth from the Fifth. The ranking is Italy, Turkey, Germany and UK. Nineth is Russia. Tenth is Malaysia.
Unfortunately, Japan was out of range. that people is 8,368,000 and sales is 1,166,080,000,000JPY. this is extremely small.
However, Japan also aims to inbound 20,000,000 People. it's before the Tokyo Olympics 2020. may be able to clear the sales ranked 20th and international tourism 30th.
But, we can not expect any more. because Japan don't think the tourism economy is the foundation of the national economy.
Japanese that are not noticed. by improving the "Services balance" it's possible to increase the "Current account balance" further.
However related institutions interest is thin. So, to send "Large sum outbound" in exchange for a "Low price inbound groups". Balance improvement is impossible in this. (※)
March 17, NHK reported. Extend the Japanese travel industry, the overseas tour of departure from Haneda Airport. Because of the increase in international flights from the 30th of this month. also JTB next month to increase to 165 lines at a time from the current 75 lines.
Inevitably, outbound should increase. but inbound is unknown.

(※) According to the morning paper of March 20, Trade balance of Japan in February ▲800,300,000,000JPY. It's 20 consecutive months of deficit. The Japanese government is that want to get the benefit of 2,000,000,000,000JPY per year in primary export. growth strategy in Japan is this.

[International Tourist Arrivals BEST10 2012]

 1 FRANCE   83,000,000
 2 U S A    67,000,000
 3 CHINA    57,700,000
 4 SPAIN    57,700,000
 5 ITALY    46,400,000
 6 TURKEY   35,700,000
 7 GERMANY  30,400,000
 8 U K      29,300,000
 9 RUSSIA   25,700,000
10 MALAYSIA 25,000,000

[International Tourism Receipts 2012(1US$:80JPY)]

 1 U S A   126,200,000,000US$(10,096,000,000,000JPY)
 2 SPAIN    55,900,000,000US$( 4,472,000,000,000JPY)
 3 FRANCE   53,700,000,000US$( 4,296,000,000,000JPY)
 4 CHINA    50,000,000,000US$( 4,000,000,000,000JPY)
 5 MACAO    43,700,000,000US$( 3,496,000,000,000JPY)
 6 ITALY    41,200,000,000US$( 3,296,000,000,000JPY)
 7 GERMANY  38,100,000,000US$( 3,048,000,000,000JPY)
 8 U K      36,400,000,000US$( 2,912,000,000,000JPY)
 9 HONG KONG32,100,000,000US$( 2,568,000,000,000JPY)
10 AUSTRALIA31,500,000,000US$( 2,520,000,000,000JPY) 

[International Tourism Expenditure 2012(1US$:80JPY)]

 1 CHINA   102,000,000,000US$( 8,160,000,000,000JPY)
 2 GERMANY  83,800,000,000US$( 6,704,000,000,000JPY)
 3 USA      83,500,000,000US$( 6,680,000,000,000JPY)
 4 U K      52,300,000,000US$( 4,184,000,000,000JPY)
 5 RUSSIA   42,800,000,000US$( 3,424,000,000,000JPY)
 6 FRANCE   37,200,000,000US$( 2,976,000,000,000JPY)
 7 CANADA   35,100,000,000US$( 2,808,000,000,000JPY)
 8 JAPAN    27,900,000,000US$( 2,232,000,000,000JPY)
 9 AUSTRALIA27,600,000,000US$( 2,208,000,000,000JPY)
10 ITALY    26,400,000,000US$( 2,112,000,000,000JPY) 

【Emigration and immigration the difference in the number, 2013】(日本語版は№73の【出入国較差②】)

January 17. JNTO announced. Number of inbound / outbound of last year (provisional value). finalized 12 months now.
Japanese government boasts that more than 10 million people were inbound.
Five years, the situation did not allow it.
However in practice, 10363900 inbound is not enough 60% of the 17473000 outbound.
In other words, excessive outflow of  the Japanese yen and peoples is still large.
It's so for a long time. but absolutely, major Japanese newspapers not write this correlation.
Perhaps, advertising revenue of the leading travel agency because particularly large. it is much greater than the power company. can't be to zero.
Honor of regional airports is also maintained. even if it's baggage.
However the differentials will be a negative effect on the "Balance on services". and, reduction of the travel market has a negative impact on the local economy.
In other words, unfair trade.
This is to be learned from China and South Korea. 2010 the "Shanghai Expo". China, attracted the Japanese of 3.73 million. nevertheless, the Reverse was 1.41 million people. And also South Korea, every year to set clear goals of customers, from various countries.
Asked the Tourism Authority, I, at the symposium. that's basic policy for the target setting of the Tourism Agency. in the hearing. but the answer, didn't conform to the transport economy and marketing theory.
That answer was a series of numbers, 1, 2, 3, 4, 5. In other words, 1 is 10 million people inbound. 2 is 20 million people outbound. 3 is domestic tourism consumption 30 trillion yen. 4 is domestic accommodation 4 nights. 5 is increase 50% the international conference.
There is no Rationale there. I couldn't believe my ears.

【Emigration and immigration the difference in the number of bilateral】

http://ohmss700.blogspot.jp/2013/08/22013.html?m=1
 
http://www.kankokeizai.com/FS-APL/FS-BBS/index.cgi?Session=S520903b01b2f36e53&Code=hiroba01&Mode=View62&Mess=03878

I have analyzed the data of the "United Nations World Tourism Organization 2007-2011".
In addition, the source of the population is "World Bank 2011" (other than Korea).

[China]

1344130000 about population.
1081012.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
3626084.8 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 3.35 times.

[South Korea]

50000000 about population.
2133550.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
2795887.2 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 1.3 times.

[U.S.A.]

312000000 about population.
715453.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
3266996 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 4.57 times. it has surpassed the China.

[Taiwan]

23000000 about population. It's less than half of South Korea.
1212405.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
1095077.2 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, No great difference.

[Thailand]

69500000 about population.
179350.6 Five-year average number is tourists who go to Japan.
1085106.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 6 times.

[Singapore]

5180000 about population. It is one-tenth of South Korea.
151458.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
568181.8 Five-year average number is tourists coming from Japan. (Including day trips)
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 3.8 times.

[Malaysia]

28860000 about population.
98419.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
399926 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 4 times.

[Hong Kong]

7070000 about population.
461071.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
810639人 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 1.76 times.

[Indonesia]

242000000 about population. It is two times that of Japan.
67386.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
472578.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 7 times.

[Russia]

142000000 about population.
52543.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
80551.25 Four-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 1.5 times.

[U.K.]

62640000 about population.
186822.6 Five-year average number is tourists who go to Japan.
248402.8 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 1.3 times.

[Germany]

82000000 about population.
113444.8 Five-year average number is tourists who go to Japan.
609040.8 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 5.37 times.

[France]

65400000 about population.
134613.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
657303.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 4.9 times.

[Italy]

60770000 about population.
53260.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
315908 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 5.9 times.

[Australia]

22620000 about population.
212907.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
423286.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 2 times.

[India]

1240000000 about population.
63999.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
155432.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 2.43 times.

[Canada]

34483000 about population.
148331.6 Five-year average number is tourists who go to Japan.
250269.2 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 1.69 times.

[Austria]

8420000 about population.
12666.6 Five-year average number is tourists who go to Japan.
215797.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 17 times.

[Netherlands]

166930000 about population.
31050 Five-year average number is tourists who go to Japan.
The number of tourists from Japan, No description.
So, the emigration and immigration the difference in the number of bilateral, unknown.

[Switzerland]

7912000 about population.
22773.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
290240.2 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 12.7 times.

[Brazil]

197000000 about population.
19319.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
66859 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 3.46 times.

[Mexico]

115000000 about population.
20235.8 Five-year average number is tourists who go to Japan.
66348 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 3.28 times.

[New Zealand]

4400000 about population.
31208.6 Five-year average number is tourists who go to Japan.
91851.6 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 2.9 times.

[Portugal]

10600000 about population.
9726.8 Five-year average number is tourists who go to Japan.
61551 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 6.3 times.

[Republic of South Africa]

50600000 about population.
4899.4 Five-year average number is tourists who go to Japan.
26557.25 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 5.4 times.

[Spain]

46000000 about population.
36340.8 Five-year average number is tourists who go to Japan.
296128 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 8.15 times.

[Turkey]

74000000 about population.
8395.2 Five-year average number is tourists who go to Japan.
159008 Five-year average number is tourists coming from Japan.
Emigration and immigration the difference in the number of bilateral, 18.9 times.

[ United Arab Emirates]

8000000 about population.
1466.7 Three-year average number is tourists who go to Japan. from 2011 to 2009.
The number of tourists from Japan, No description.
So, the emigration and immigration the difference in the number of bilateral, unknown.

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O.H.M.S.S. (Ohuda,Higashi-kishu,Matsusaka-area,Sightseeing Support )
Shigeki  Imura

"About the involvement of the tourism industry with regional development"
https://ohmss700.blogspot.jp/?m=1